ザンビア4

 

文

イギリスの”MR.BIG”の「Zambia~麗しのザンビア~」
という曲を丁寧に紹介していきますね。

 

UKですよ!!

Zambiaのクレジット

1975年 1stアルバム「SWEET SILENCE~甘美のハード・ロッカー~」より
(1976年 シングルカット)

作曲編曲:ディッケンDicken(本名:ジェフリー・ロバート・ペイン)

プロデュース:ジョン・パンターJohn Punter

メンバー
ディッケン ボーカル、ギター
ピート・クロウザーPete Crowther ベース、ギター
チャルキーVince Chaulk ドラム、パーカッション
ジョン・バーニップJohn Burnip ドラム、パーカッション

ブリティッシュ・ハードロック/プログレッシヴ・ロック

 

“MR.BIG”ってアメリカじゃあないの?

そうなんです。
今回紹介する名曲はイギリスの”MR.BIG”なんです。

イギリス国旗

 

世界は広いですね。1988年結成の日本でも人気のアメリカのロックバンドも全く同じグループ名です。
そして、1996年リリースの4thアルバム「Hey Man」は日本オリコン1位を獲得しているらしいです。

 

イギリスの”MR.BIG”の歴史

今回は、いつもと一味違う方法で紹介をしていきたいので、歴史は簡潔にまとめます。

1969年、オックスフォード出身のディッケンが学友のチャルキー(ds)とその友人(b)の3人で「チャルキー・ペインフル・レーグス」というバンドを結成する。
1970年、ベースがピート・クロウザーに交代し「バーント・オーク」に改名する。
その後、チャルキーが病気になり、ドラマーにジョン・バーニップを迎える。そして、回復したチャルキーも復帰しそのままツインドラムでバンドを継続する。

ロンドンのマーキー・クラブ(音楽会館)に出演したある晩、彼らは機材運搬用のバンの中で一夜を過ごした。翌朝買った新聞の一面に、指名手配のポルノ・キングが逮捕されたという記事が大々的に掲載されていた。犯人の通称が”MR.BIG”だったことから、その名をもらったということだ。アメリカのMR.BIGは、「フリー」というバンドのアルバム「ファイア・アンド・ウォーター」の中の曲名をもらったらしく、悲しいことにイギリスのMR.BIGの存在は知らなかったらしい。

新聞とアイビー

 

改名直後の1974年、エピック・レーベルとの契約によりシングルをリリースするが、ヒットとならずエピックとの契約を終える。
その頃、マーキーでの彼らの演奏を見た「モット・ザ・フープルMott The Hoople」のツアーマネージャーが彼らに可能性を感じて、ボスのロバート・ハーシュマンを連れて再度マーキーにチェックに訪れる。そしてすぐに、EMIと契約を結ぶこととなる。

短期間の内にバンド名やメンバー、契約先まで変わったのだが、やっとこれから、MR.BIGの音楽を多くの人に聴いてもらえることとなる。数年の間、懸命に取組んだ証が作品となったのだろうが、ディッケンの音楽性を理解でき、実践できたメンバーのアーティスティックな部分が大きな要因だと思う。その後も多くの人と関わることとなるが、名前だけ紹介することとする。
エディ・カーター(vo、g)、ヴァル・ギャレイ(プロデュース)、ジョン・ロバート・マーター(ds)、ジョン・バーニップ(サブマネージャー兼key)、ミッキー・ルウェリン(g)、イアン・ハンター(プロデュース)、ポール・ギボン(key、g、b)、 等々

 

 

デイスコグラフィ

活動時期をⅠ期~Ⅲ期に分け、リリースしたアルバムと特徴を紹介します。

〚Ⅰ期 1972年~1978年〛
1975年(EMI) 1st「SWEET SILENCE~甘美のハード・ロッカー~」
2ndアルバムのライナーノーツの執筆者赤岩和美氏によると『全曲がディッケンの作品で埋められたデビュー作では、ポスト・グラム・ロック的なグリッター感覚とスペーシーなプログレッシヴ・サウンドを融合させた新感覚のハード・ロックが展開されており、クイーンやビー・バップ・デラックスなどと共にブリティッシュ・モダーン・ロックの新しい地平を切り拓いている。』ということです。
後追いでこの曲と出会った私なんかは、当時の音楽シーンに身をおいてその感覚について行こうと思うと、先ず知らない言葉を辞書で引いたり、知らないグループ名をウィキペディアで調べてユーチューブで聴いて…となると少々時間と精神的疲労が重なってしまうので十分にはできませんでしたが、他の3枚に比べると一番ハードでMG.BIGらしさが全面に出ているアルバムだと思います。
※赤岩和美氏は、英国ロックの魅力を日本に紹介してきた草分け的存在の音楽評論家。

1976年(Arista) 2nd「PHOTOGRAPHIC SMILE」
同じく赤岩氏の執筆によると『ロサンジェルスでアメリカ人のプロデューサー、ヴァル・ギャレイを起用して制作されたものである。デビュー作ではブリティッシュ然とした新感覚のポップなハード・ロックを作り上げたミスター・ビッグにとってはかなりの冒険であり、方向転換が見られる作品であるが、ウエスト・コースト・ロック風の穏やかな雰囲気とパワー・ポップ的なスタイルをミックスさせた音作りは意外性たっぷりなものの、彼らの新しい姿を窺わせる新鮮な魅力に満ちたものとなっている。』ということ。
確かに確かに、穏やかでポップになってますね。当時のファンなんかは面食らったらしいでてすが、現在すべてのディッケンの曲を聴ける環境の私からしたら、まだまだ想定内でディッケンワールドからは逸脱していないと感じます。

1977年(EMI) 「MR.BIG」上記英国盤、その他各国盤制作

※2ndアルバムをアメリカのAristaと契約してから、英米レコード会社に挟まれてのゴタゴタが生じ、EMI、Aristaともに契約を破棄し解散となる。

コーヒータイム

1978年(未発表) 3rd「SEPPUKU」
(2001年(Angel Air Records) 3rd (CD)「SEPPUKU」)
今回は赤岩氏の執筆がないので、私のコメントで我慢してください。前半は哀愁も少し感じられるぐらい穏やかで、2ndで裏切られた感のある人は立ち直れないかもしれないが、後半につれ以前の雰囲気が感じられ少しほっとする。現実には、レコード盤を手にすることはできませんでしたが、CDのセットリストからすると、1~6曲目までがA面、7~12曲目までがB面だったと想像できます。

ここで1980年、ディッケン、ピート・クロウザー、ピート・バーナクル(ds)、ローリー・ウイルソン(g)と「ブロークン・ホームBROKEN HME」 というバンドを結成。そこでの名曲も直近で記事にする予定なので、できれば続けて読んでください。

 

〚Ⅱ期 1990年~1998年〛
1996年(Rock Shop) 「RAINBOW BRIDGE」 ※MR.BIG UKとして
色々文献をあさったのですが、このアルバムはMR.BIG(アメリカのMR.BIGと区別するためにUKがついていますが)としてのアルバム通し番号がついていません。付いていないのかどうかわかりませんが、明確に書かれたものがありません。実際このアルバム自体は持っていないのですが、ブロークン・ホームのCDアルバム「Life」の中のボーナストラックとしてほとんどの曲が入っているので聴くことはできます。この辺の事情も英語のライナーを読むことができればスッキリとわかるのでしょうけど、努力が足りなくてすみません。とにかくレコーディングの位置はここですが、宙ぶらりんな感じです。ところで内容ですが、まさしく3rdと4thの間のMR.BIGで、デビュー時に比べれば一見地味そうではあるけれど、クセというかアクは健在です。

〚Ⅲ期 2005年~〛
2011年(Soundfactor Records) 4th「BITTER STREETS」
録音も良くなりディッケンの声も少し低く太くなり、優しい大人のポップスとなる。メロディーが洗練され過ぎてすぐには聴きどころが見つからない曲も存在するが、聴きこむと不思議と馴染んで「これもありかな」と思わす。アクが全部そぎ落とされてディッケンという人の一部が垣間見れたようなアルバムだ。

 

発見!!
2021年、新譜が出るかも…ネットリサーチしていると色々な所へたどり着くもので、ジェフリー・ロバートという人が動画をアップしていて、このチャンネルには、可愛い女の子が無邪気に歌うシーンやディッケン達の練習風景、既成曲の別バージョンの紹介動画などあり、そこに何と! 2021年のニューアルバムのリストであろうデモの「Lady」がアップされている。近々リリースされるかもしれませんよ!!

というより、このユーチューバーは何者?

元メンバー?

“灯台下暗し” 今回の主役ともいうべき”ディッケン様”でした。そう言えば冒頭で本名を紹介していましたね。恥ずかしいけど覚えてませんでした。

 

ツインドラムの特徴

後になってしまいましたが、珍しいツインドラムというバンド形態について感想を述べたいと思います。
場所をとる、運搬が大変、ミキシングが大変、シンプルな曲の時どちらかが退屈する、コントロールする人がいないと雑音化するなどがデメリットとして浮かぶ。結構なデメリットで、そのことを犠牲にしてでも得たいメリットは何だろうか?今まで考えたことがなかったので改めて考えてみた。勿論、バンドでやりたい曲に必要だからというのが大前提です。

①複雑な演奏ができるということだと思います。複数のギタリストが居る時と同じように振り分けが必要です。また、一人がパーカッションをすればトロピカルな雰囲気、軽やかな雰囲気など違った味付けができます。
➁ダイナミックなサウンドになる。特にライブの時には視覚的にも体感的にもそう感じることができますよね。
➂逆のことを言うようですが、音が優しくなると思います。機械の打込みだと、ドラム音が同じタイミングで2つ入ったとしても1つの時と同じ印象になりますが、人間が叩くと多少のリズムや強弱のズレが生じ、それが、あたかもエフェクターをかけたみたいに優しい音や空間的な音に聴こえるんだと思います。

他にもあるかもしれませんので、皆さんも考えてみてくださいね。

ドラム

 

MR.BIGのすべて

5つの顔を持つMR.BIG

今回は、一味違う方法で紹介します。
言ってしまえば、1曲に絞れなかったというのが本音ですが、本題の名曲を紹介する前に、アルバムごとに名曲を紹介します。

どうして本物のCDとかのジャケットを掲載しないの? と疑問に思う方もいますよね。実は、勝手に掲載すると著作権に抵触してしまうんです。ですから、名曲のイメージに合う画像を作成しています。でもその作業がとても楽しくて、名曲を口ずさみ空想しながら作成しています。
画像のテーマは、アルバムジャケット、曲のイメージ、歌詞からインスパイアされるもの… と色々ですが、歌詞の内容を知るために英語のライナーノーツをやっとこさ読みました。このディッケンという人、とっても真面目な人ということがわかりました。というのは、大抵のアルバムに曲ごとの内容や経緯を説明されており、それだけでも真面目さがうかがえるのですが、人や自然、場所など時には哲学的に語られています。遊び半分に画像作成するわけにはいかず、いつも以上に丁寧に作成しました。

私の描く、名曲のイメージも合わせてご鑑賞いただけるとありがたいです。

 

ROMEO~恋するロミオ~

 

文

1つめの顔は、2ndアルバムから「ROMEO~恋するロミオ~」
全英4位を記録した名曲、新メンバー エディ・カーターとのツインボーカルもお楽しみに。
コレ聴け!

 

You Won’t See Me

 

文

2つめの顔は、3rdアルバムから「You Won’t See Me」
ポップ色も見え隠れするの中で、以前のMR.BIGが味わえる曲です。
コレ聴け!

 

Highways

 

文

3つめの顔は、通し番号のないアルバム「RAINBOW BRIDGE」より
気持ちのいい曲「Highways」です。
コレ聴け!

Why Wait For Love

 

文

4つめの顔は、ポップ化した4thアルバムから「Why Wait For Love」
哀愁半端ないAORとも言える名曲。
コレ聴け!

 

 

Zambiaの感想

英国人も中華がお好き?

MR.BIGと言えば、溢れだした独特な感性をそのままを表現していた1stアルバムは神盤だ、という人がきっと多いことでしょう。本題の名曲「Zambia」は1stアルバムに入っいてシングルカットもされている。曲名のサンビア共和国は、1964年にイギリスから独立したアフリカ南部の内陸国だ。それにしても不思議な曲だ。かつて領土にしていた国に対しての何か思いが込められているのか… 日本人が訳した歌詞は他愛もない内容だ。我々にはわからない隠語が含まれているのか? それに、なぜ中華なのか? このアルバムに限らず中華的なメロディーをちょくちょく使うので、ただ単にお好きなだけか? もしかしたら、中華に聴こえて中華ではないのか?

長くなったので、とにかく聴いてもらえば良さがわかると思う。

テーマとなるメロディーは中華風で実にユニーク!

そのくせ間奏はスリリングでカッコイイ!!

※私が作成した記事冒頭の画像はザンビアの人かどうかはわかりませんが、中国雑技団のイメージにぴったりだったので選んだ写真です。それ以上の意味はありません。

試聴

文

大変お待たせしました。5つめの顔、
MR.BIGファンのみんなが大好きな「Zambia~麗しのザンビア~」
コレ聴け!

 

ブロークンホームへリンクしてください

近日中に、ディッケンが途中で組んだバンド「ブロークン・ホーム」を記事にしようと思いますので、そちらの方も続けて聴いてください。
よろしくお願いします。

※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「MR.BIG」2ndアルバムのライナーノーツ
「ブロークン・ホーム」1stアルバムのライナーノーツ