日本人だと知ってる人は少ないと思います。
本当に名曲なので是非聴いてくださいね!
Strange Day In The Country までのみちのり
クレジット
1997年、アルバム「MOONCHILD」の1曲目に収録
作詞・作曲 : パット・マクマナス&ジョン・マクマナス…兄弟
スタイル
パット・マクマナスPat McManus(ギター、フィドル、ブズーキ)
ジョン・マクマナスJon McManus(ボーカル、ホイッスル、イリアン・パイプス)
ジョナサン・チェルウィクJonathan Czerwik(キーボード)
ゲストミュージシャン
ピノ・パラディーノPino Palladino(ベース)
ジャン・ミシェル・ビガーJean-Michel Biger(ドラム)
ジャンル : ケルティック・ロック
ママズ・ボーイズからケルタスまでの経緯
パット、ジョン&トミー・マクマナスTommy McManusの3兄弟は、北アイルランドのフェルマナ州エニスキレンの音楽一家に生まれ育つ。
それぞれ楽器に馴染み、小さい頃からライブやコンテストに出演していた。
パットは、フィドル(バイオリン)でアイルランドのチャンピオンとなり、ジョンは、ホイッスルで数々の優勝の経歴がある。トミーはリズムの才能が開花し10歳でドラムを手に入れた。
しかし青年になるにつれケルトのロックバンドに影響を受け、アマチュアバンドを経た後、メジャーデビューすることとなる。それが、パット(ギター)、ジョン(ボーカル、ベース)、トミー(ドラム)3兄弟の「ママズ・ボーイズ」Mama’s Boysである。トミーが若干13歳だったことがグループ名の所以らしい。
ジャンルはブリティッシュハードロック。
次々に成功を重ねていたが、1992年発売「相対性理論」がママズ・ボーイズの最後アルバムとなった。
それはトミーの死をきっかけに解散することになったからだ。
トミーは9歳で白血病と診断されるが “音楽” という強い力で病気を克服していた。1985年頃再発するも、以前同様、完全復活した。しかし、1993年再び再発し病魔には勝てず、1994年28歳の若さで帰らぬ人となった。
以降、残された兄弟の悲しみは如何ばかりかと想像するのが怖いぐらいである。
時間の経過も少しは助けになったのか、一周忌を迎える頃、ジョンはトミーを追悼して「Brother’s Lament」という曲をつくる。
そして、ついには彼らの音楽のルーツに戻って「ケルタス」が誕生することとなる。
アルバム「MOONCHILD」のジャケットのには、”This album is dedicated to our brother Tommy.” 記されている。
まずは、ママズ・ボーイズを聴いてみてください。
ケルタスへの変貌ぶりがわかっていいかも…
インストのカッコイイ曲「The Professor Ⅱ」です。
ケルト音楽に返る
ケルト音楽とは
ケルト音楽とは、西ヨーロッパのケルト人の民族音楽から発展し継承されていった伝統音楽をはじめ、ポピュラー音楽までも含めた音楽ジャンルの総称である。
地域的にはブリテン諸島(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォルなど)から、フランスのブルターニュ、スペインのガルシア地方、アストゥリアス地方、北東ポルトガル、カナダ(特にケープ・ブレトン島)やアメリカに住むケルト人区域までの広い範囲である。
地域差もさることながら、発展形のケルト音楽を含めれば、想像していたケルト音楽とは異なるものもあるかもしれません。
ここでは、曲のイメージを把握することを目的に記述していますが、政治的な側面からは、「アイルランド音楽」「スコットランド音楽」「ケルト音楽」等を区別して語らなければならないこともあるようです。
※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケルト音楽につかわれる楽器
音楽のタイプも異なれば、使用する楽器も若干異なりますが、代表的な伝統楽器を紹介します。曲の音程により複数の種類があるものや、演奏スタイルにより変化したものもあります。
●バグパイプ ●イリアン・パイプス ●ガイタ・ガレガ ●ハープ ●フィドル ●ブズーキ ●ボーラン ●ティン・ホイッスル ●ロー・ホイッスル ●バンジョー ●ハーモニカ ●コンサーティーナ ●アコーディオン 等
The Corrs (コアーズ)もケルト音楽
「Runaway」「Breathless」などで有名なアイルランド出身の兄妹バンドの”コアーズ “The Corrsも、ケルト音楽が原点のポップスバンドです。
エレクトリックな楽器も入っていますが、フィドル、ティン・ホイッスル、ブズーキ、アコーディオン等の民族楽器も入った映像がありました。曲調も民族音楽に近い感じだったので参考になると思います。
ケルト色が濃くかっこいいライブ映像、
曲は「Joy Of Life」です。
Strange Day In The Country の感想
秒で好きになり、何回聴いても飽きない
雨の音とともに 人? 精霊? の叫び声? 泣き声 ? そして低い笛の音が遠くからかすかに聞こえてくる、何という演出でしょうか。まあ、ここまでならよくあり、「何だ、最初だけかよ」と以降肩透かしになることが多い中、曲が始まった瞬間 “この曲は明らかに違う” ということが確信できる。イントロ、Aメロ、Bメロ、Aメロ、Bメロ、サビ、ホイッスルソロ、サビ、エンディング の順で曲が進み、最後まで感動(心のパッション)がクレッシェンドしていく。こんなに昇りつめていく曲は稀で、曲が終わっても感動冷めやらず放心状態になってしまう。
誠に根拠のない主観的な感想しか言えないが、分析したくない、というか何とも思わない人には説明困難。少々言い過ぎかとも思うが、理屈でどうこうの話しではないのだ。
そして、何回聴いても飽きない、安くないメロディーである。
哀愁が半端ない
異国情緒あふれる楽器の音色も相まって、メロディーがいい! 素人が思いつくメロディーではない。かと言って感性がそぐわない理論だけで作曲するタイプの作曲家にも作れないと思う。きっとコード展開も凝っているんだろうな。ここは、理論家にはかなわないです m(__)m
天性のもの、もしくはこれから書きたい曲のタイプが描けているから必然的に書けたものなのかもしれない。偶然にできたものではない。
リズム体が落ち着いており民族楽器と上手く調和して気持ちいい
使用している民族楽器は断言できないが、ロー・ホイッスル、ハープ(キーボードかもしれない)、そしてサビの歌い方がケルトっぽい。それに、ギター、キーボード、ドラム、ベースが加わっている。
ギターはかなり歪んだ音色を使用しているが入れ方がさりげなく、そしてピッキングハーモニクスの入れ方は文章でいうところの”接続詞”みたいでしっくりくる。普通ならギターのアルペジオにするかもしれないパートをハープにすることにより、ハード過ぎず落ち着いたちょうどいい印象に仕上がっている。このハープが単純だからこそ心地良さを惹きだしているのかもしれない。ベースは音数が多いものの決して主張することなく、ドラムとともにちょうどいいバランスでグルーヴ感を出している。
全体の音作り、プロデュースが素晴らしい。
ロック魂が感じられるからいい、代わりの曲がない
私自身、異国情緒がうかがえる曲が好きな方だと思う。名曲に決める際あらかじめ加点されていることも否めない。しかし、この曲は違います。なぜなら、これまで説明してきた理由に加え、ポピュラー音楽の中にケルト音楽のエッセンス、もしくは彼らの誕生の時から備わっている音楽性が融合されただけであって、意識的にケルト音楽に寄せたわけではないからだ。
先述したように、異国情緒がうかがえる曲が好きです。しかし、民族音楽を名曲としてとりあげるつもりもないし、その土俵にも挙がってきません。民族音楽の成立ちは個々で異なるのかもしれませんが、原始的な生活の中で生きていく上で必要にかられて継承されていったもの、というイメージをもっており次元が違うからです。これは、あくまでも私の見解です。
アルバム「MOONCHILD」の中の「Brother’s Lament」が最愛の弟”トミー”を偲んで書いた曲だが、一曲目の「Strange Day In The Country」は当時の心境とトミーからのメッセージを受けて自分達の進む方向を決めた背景が描かれているような気がする。(歌詞は決してこういう内容ではないようだが…)
もう1つ理由を述べるのを忘れていた。
いつしかロックに目覚めた彼らだけあって、やっぱりロックからは離れられないようだ。ロックは、感情があるからいい! ファッションでもダンスでもない、気持ちが動く、動かせる!
こんな曲、他にあるかしら?
代わりの曲が見当たらない。
試聴
お待たせしました。
それでは、