The art of love

 

文

AOR界の紳士マイケル・フランクスの名曲を
丁寧に紹介していきますね。

 

 

有名な曲「Antonio’s Song」の作者

クレジット

1990年 11枚目アルバム「blue pacific」より

シンガー・ソンングライター マイケル・フランクスMichael Franks

ソロプロジェクト

AOR

 

「Art Of Love」のスタジオミュージシャン

※1) ジェフ・ローバーJeff Lorber  プロデュース、アレンジ、キーボード、プログラミング
※2) ポール・ジャクソン・ジュニアPaul Jackson,Jr.  ギター
※3) マーク・ルッソMarc Russo  サックス
※4) ルイス・コンテLuis Conte  パーカッション
※5) ショーン・フランクスSean Franks  シンバル

※1) 4歳よりクラシックピアノを始め、フュージョンバンドのキーボーディストの活動を経、活躍しているアメリカ出身の有名音楽プロデューサー。
※2) “セッション王”と称されるほどの活躍で、マイケル・ジャクソンホイットニー・ヒューストン等もサポートしているジャズ・フュージョンのギタリスト。
※3) ジャズ・フュージョンバンドのイエロージャケッツの元メンバーで、リチャード・マークスアル・ジャロウ等のサポートミュージシャンでもあるサックス奏者。
※4) キューバ出身のパーカッショニストで、マドンナアル・ディ・メオラパット・メセニーフィル・コリンズ等のセッションミュージシャンとして活躍している。
※5) 詳細不明

 

ボズ・スキャッグスから八神純子までAOR

このブログは、ジャンルにこだわることなく名曲を紹介していくものだが、今回「AOR」というジャンルに触れずに文章にするのが困難なため、簡単に説明してみます。

ここで言うAORとは、Adult Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)「大人向けのロック」の略で、ボズ・スキャッグスボビー・コールドウェル等が有名。元々、海外発祥の音楽シーン(ジャンル)のアーティストを日本に紹介する際に用いた言葉の為、中身やジャンルの枠に関しては曖昧だと思う。もっと言うと、発祥した国でさえ、定義や呼び名にも違いがあるから尚更のことだ。「クワイエット・ストーム」「ソフト&メロウ」「アダルト・コンテンポラリー」「アーバン」「ヨット・ロック」等、AORに近い音楽用語もある。

一方、日本でのAORシーンはどうでしょうか。その時代時代でより的確な呼び名は異なるかもしれませんが、広義の意味では、大瀧詠一山下達郎松任谷由実竹内まりやらをはじめ、寺尾聰岩崎宏美さんもAORに入るみたいです。一般的なジャンル分けは詳しくありませんが、個々の曲でも異なる場合もあるので、アーティスト単位で区分するのは気を付けた方がいいと思います。

私は、特に海外の初期の頃のAORはあまり聴いていないので言及しないでおきます。

一番いいのは、色々な音楽を吸収して自分で差異を見つけることだと思います。自信がない時は、「ロック色の強いAORっぽい曲」とか「BGMに適したAORっぽい曲」とか言えばいいと思います。私の場合、曲だけ聴いて、何となくこのジャンルかなという程度はわかります。人から「違うよ」と指摘されたら柔軟に変更できる程度なのなので、凝り固まるよりいいかなと思っています。

まあ、”プログレ” 同様 “AOR”のジャンル分けも曖昧な部分があります。

それは、違う違う!

ジャンルが先にあるのではなくて、曲が先にあるのでした。だから、ジャンルにはまらなくなるのは当然のことでした。

 

ジノ・バネリGino Vannelliもいいですよ

この際なので、私の好きなAORの曲を紹介します。

おススメAORの曲

「I Keep Forgettin’/マイケル・マクドナルド」「It Hurts to be Love/ジノ・バネリ」「Scissors Cut/アート・ガーファンクル」「 Show Me Your Love/グレッグ・ギドリー」「Lady Killer/ニッキー・ホーランド」「Pieces Of  A Heart/カール・アンダーソン」「Something Sad/ティモシー・B・シュミット」「Rock With You/マイケル・ジャクソン」「Peace Of Mind/カルメン・クレスタ」「The Pictures/メッテ・ハートマン」「Tolk Wark Drive/ジュリア・フォーダム」「Secret Love(Invisible)/スゥイング・アウト・シスター」「Morning Highway/杏里」「Down Town /APO」「Lucy Lady Feel So Good/角松敏生」

 

 

経歴

それでは、本題のマイケル・フランクスの紹介をしていきます。

カリフォルニア州ラ・ホヤ出身。両親がスゥイング・ジャズが好きで、彼もそれに親しんで育つ。しかし、大学時代、アントニオ・カルロス・ジョビンのブラジリアン・ミュージックに触れて大変なショックを受けたらしい。
オレゴン大学博士号を取得し教鞭もとっていたが、音楽の道が忘れられず、1973年、Burtレーベルから「MICHAEL FRANKS」で活動開始する。そして、1976年、ワーナーレコードより「アート・オブ・ティー」でメジャーデビューとなる。ポップスの中に、ジャズやブラジリアン・ミュージックの要素をセンス良くとり入れたスタイルで、新世代のシンガーソングライターとしての地位を確立する。

1977年、「スリーピング・ジプシー」で、名曲「Antonio’s Song」「The Lady Want To Know」等、1970年代の洋楽シーンを代表するアルバムとなる。後も、次々と質の高い名作をリリースし、地位を不動のものとする。

文

一度は耳にしたことがあるかもしれない有名な曲、
アントニオ・カルロス・ジョビンのオマージュでもある
マイケル・フランクスの「Antonio’s Song」を聴いてみてください。

どうでしたか?

なぜこの曲が、このブログのタイトルにならないの?

と思う人もいるかもしれませんが、確かに深みのあるいい曲だと思うのですが、ポピュラーになり過ぎていて私の判断が鈍っています。ビートルズの「レット・イット・ビー」の判断が難しいのと同じぐらいです。私だけでしょうか?

以降、コンスタントに楽曲作成を続け、2018年までに18枚のスタジオアルバムをリリースしている。

私の好みは、今回紹介する「Art Of Love」が入っているアルバム「blue pacific」までのもので、アルバム単位で多少冒険しているのがうかがえる。それでも、他のミュージシャンに比べると音楽スタイルの変化が少ないらしく、ファンが離れていかない理由らしい。

デビュー作から、大変有名なプロデューサーやミュージシャンを起用しており、アルバム内でも複数のプロデューサーを依頼することもあるぐらい作品制作には最善を尽くしていた。レコード会社をウィンダムヒルに移籍した理由が、売るために何かを妥協するのではなく、一つ一つの言葉を吟味し旋律を創りあげ、それを最高状態に具体化するために一流のミュージシャンと熱いセッションを重ねる、というのがポリシーだからのようだ。

アルバム制作に関わった有名人

ブレンダ・ラッセル、デヴィッド・スピノッツァ、アール・クルー、ラリー・カールトン、ジョン・トロペア、エリック・ゲイル、スティーブ・カーン、アーニー・ワッツ、デヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、ジョー・サンプル、マイク・マニエリ、ロン・カーター、ウィル・リー、スティーブ・ガッド、トミー・プリーマ、ジェフ・ローバー、チャック・ローブ、ハイラム・ブロック、マイケル・ランダウ、ポール・ジャクソン・ジュニア、ボブ・ミンツァー、オマール・ハキム、レニー・カストロ、パウリーニョ・ダ・コスタ、ルーサー・ヴァンドロス・マリリン・スコット、ランディ・ヴァンウォーマー 他多数

お恥ずかしい話ですが、私が知っているのは3人…です。

 

ユーミンの「あの日にかえりたい」が変身すると…

2000年代、日本におけるAORの再評価とボサノヴァ・ブームは、彼にとって水を得た魚みたいなものかもしれない。というのは、ユーミンの楽曲を題材にした逆カヴァー・アルバム「OVER THE SKY」の企画に参加し、彼らしい、本当に彼らしい作品に変身しているからだ。得てして、こういう企画は、実際に歌うシンガーに対して上手ければいいみたいな扱いで安直なものが多い中、彼自身で英語詞を書いたり、アレンジや演奏もいつものサポートメンバーで固めることができたからだ。原曲が素晴らしいから尚更のことだ。何故だか私も誇らしい気持ちになった。

文

ユーミンの「あの日にかえりたい」を
マイケル・フランクスが解釈するとこんな曲に変身します。
「Somewhere In The Rain」どうぞ!

雰囲気が、「Antonio’s Song」に似てるような気もします。

 

The Art Of Love の聴きどころ

チェット・ベイカーをベイスにしてジェイムス・テイラーのソースを…

1977年リリースのアルバム「スリーピング・ジプシー」の、かまやつひろし氏のライナーノーツで面白い表現を見つけたので紹介します。『チェット・ベイカーをベイスにして、ジェイムス・テイラーのソースをアストラッド・ジルベルトに入れて少しシェイクする。感じよくなったところに、ジャズ印のスパイス、ファンキー印のスパイス、サンバ印のスパイス、インテリソース、ソフィスティケイト印のスパイス、その他都会の味のするスパイスを少しずつふりかけるのだ。このスパイスをふりかける時は、大いにリラックスしてやらなければならない。そうしないとスパイスが分離してクセっぽくなるのだ。この料理は、あくまでも滑らかでさらっとしていて、コクなければいけない。』と彼の音楽を表現したのだ。

これは、彼マイケルの音楽を表現したものですが、調合が違うだけでAOR全般のイメージにも結びつけやすいと思います。是非、参考にしてください。

 

パートは「声」という楽器です

AORには色々なタイプがあるということは先述した通りですが、尖がった感情を情熱的に表現するというよりも、おだやかにスマートに表現するものの方が多いように思います。となると、感情を込めて歌い上げるより、聴き心地がいい、耳ざわりのいい歌の方が適しているかもしれません。そういう戦術だと、彼の歌唱法はとっても合っているんです、あの囁くような歌い方が…

彼の歌は下手だ、という人もいますが、私は弁護します!

 

少しクセがあるぐらいが丁度いい!

ウィンダムヒルに移籍したぐらいからのアルバムが割と単調なものが多くてぱっとしない、というのが私の印象だ。かまやつ氏の表現にならって言うと、「さらっとしているだけで旨味がない、どの皿も似た味がする」という感じ。熱狂的なコアなファンではないから「コク」というものがわからないのだろうか… というような具合で、私みたいな若輩ものは、少しクセがあるぐらいの方が好みです。

「コク」がわかった暁には、平に平に謝らなければなりません。

「Art Of Love」は、軽快なリズムの上に、Aメロの節目節目で入るビブラフォン似のシンセが心地よく、歌のメロディーもほどほどに起伏があり丁度いいと思う。そして、後半の淡々としたサビの繰り返しの合間に感情のこもったサックスが入り、これまた丁度いい

丁度いいだらけの曲と言えます。

 

試聴

文

お待たせしました。
スパイス加減が丁度いいAOR、マイケル・フランクスで「The Art Of Love」
コレ聴け!

ちなみに、主人はブラックペッパー多めの「Read My Lips」がお好みのようです。

 

※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
各日本版アルバムのライナーノーツ
日本コロンビア公式サイト