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さぁー、待ちに待った『ロックしましょ!!』の始まりです。事始めに、ハードロック編から数々の名曲を紹介していきますね!!

ROCKしましょ!!

“LOCK”ではなく”ROCK”です。

ステッカーとかにある「ロックしましょう」という施錠を促すものではなく、まさしく、音楽のロックです!! ひょっとしたら、巷でも使われている言葉なのかもしれませんが、我々30年以上前に使っていた言葉なのです。というのは、アマチュアバンドでのライブタイトルが、この「ロックしましょ」だったのです。久々にこのタイトルを思い出して、これだ!!って思いました。ロックっていうと、煙草、たまり場、非行、犯罪、とあまり大人しくないような印象を受けると思うのですが、「…しましょ!!」にすることで、ちょっとばかし上品に聞こえませんか? ってことで、このようなタイトルにした訳です。

そもそもROCKって…

うーん、難しい問いですよね。理論に詳しい人は理論で説明するでしょうし、歴史に詳しい人は歴史で説明するでしょうし、精神面で戦っている人は訳の分からない精神性で語るでしょうし… 最後は悪意がある表現になりましたが、まんざら無いことも無いかもです。この際、私はどうなのかちょっと考えてみました。私の場合、確固たる理論的に説明できる音楽知識がないし、歴史方面から説明する能力や体験が少ないので、行きつくところは、拙い音楽歴史の知識×感受性×聴いた曲数×聴いたジャンル数×演奏や作曲の経験によってでき出来上がった自己流音楽アセスメントツールによって判断していると言える。全く個人的なアセスメントツールであり頭と心で瞬時に判断している。如何せん、ツールの内容は文字や図形・表にできないのが玉にきずですが… 案外、皆さんもこのような独自の判断ツールがあるのではないでしょうか? ということで、冒頭で非難していしまった精神論者と大差のないものになってしまいましたが、ロックの定義は言えませんが、個々の曲がロックである要因は語れそうです。

断り書き その1

ネットと言えども誰と接するかわからない公の場、断り書きをしておきたいと思います。音楽に精通している方には少々気持ち悪さがつきまとうかもしれないからです。というのは、私のジャンル分けが誠に大雑把で基準が明確ではないからです。近年、多様化に対応しての結果かもしれませんがかなり細分化されていますよね。確かに、商業的にも、流通の為にも、コミュニケーションツールとしても、便宜上区分けが必要なのかもしれませんが、私はついて行けていません。個々のアルバムでも、またアルバム中の個々の曲でもタイプが異なる場合もあるのになあ~と思いますが、私の理解不足が高じて使いこなせていないだけなのかもしれませんね。まあ、ここではブログの目的を全うする手段として”名曲を紹介”しているのだからジャンルに重きを置かないことさせてください。

それにしても大雑把すぎるだろ! と自分でも自覚しています、はい。

いざ出陣!!

こんなタッチで述べて参りましたが、実はとても大事な回なのです。というのは、ロックは私が一番大切にしているジャンルだからです。言い換えると自分の得意なジャンルなので、このブログの存在意義でもある、埋もれかけている名曲を光をあてるために全力を注がなければならないし、注ぎたいし、注ぐ行為を愉しみたいのです。大雑把な企画と選曲はできており、ハードロック編Ⅰロック編Ⅰポップ編Ⅰで、プログレやAOR、フュージョン、イージーリスニングなんかは除いています。ざっと計算して90曲以上、一気にやります。と言ってもこの調子だと半年から1年ぐらいかかるのではないだろうか。そんなこんなで、動画は時間をかけられないので少々雑な感じになっていますが、ロックテイストに仕上げることには余念がありません。

いざ、出陣!!

ハードロック編Ⅰ+時々プログレ

今回は『ロックしましょ!!』のハードロック編。3回に分けた1回目は、ハードロックではあるけれど王道とは異なるようなタイプやプログレ畑からやって来たものを集めてみました。少し違うテイストですが、

それを

受け入れるか

否かは

あなた

次第です

こうご期待!!

1. How Do I Look / SAGA

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トップバッターは、カナダのプログレッシブ・ハードロックバンドの”サーガ”です。本来パーマネントメンバーは5人ですが、今作より少し前から3人になり、次作から再び5人に戻ります。
アルバムごとに方向性が変わり、角度が変わった先でもサーガらしい独特な楽曲で個々のアルバムが彩られています。ダンサブルな曲からヘビーメタルまでやりこなし、しかもどのアルバムも整っている。これは、豊富なリズムパターンとメロディー、そしてスリリングなアレンジ、はたまた普通のロックではないような展開を違和感なくおさめるテクニックがあるからだ。どのアルバムを聴いても”これはサーガだ”と言える特徴をもったバンドです。たまに「ボーカルの声がちょっと…」という人もいるけど、この声、いやこの声という楽器があってのサーガなのかもしれないです。

本題の「How Do I Look」ですが、先述したように曲調のふり幅が90度だとすると、真ん中の45度ぐらいの曲調でしょうか…1度の違いが何なのか説明のないまま、あまりにもざっくりとした個人的な思考でわかりにくいですよね。違う次元で言い替えると、超絶な演奏部分は少し抑え気味ですが、サーガのいい所を寄せて端的に表現された曲です。エレキギターが出すぎるとカッコいいけどメロディーが質素になったり、逆にキーボードがメインになるとメロディアス過ぎたりしますが、この曲はちょうどいいバランスを持っているように思います。サーガをよくご存知の方は選曲に異議を唱えるかもしれませんが、ごもっともです。他にも名曲がいっぱいありますから。
★1989年8thアルバム『THE BEGINNER’S GUIDE TO THROWING SHAPES』
★作詞・作曲・編曲:SAGA(MICHAEL SADLER / JIM CRICHTON / JAN CRICHTON)
では、そんな真ん中の曲…
コレ聴け!!

2.Blue Collar Man / Styx

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“スティクス”と言えば、洋楽ファンであれば聞いたことのあるグループ名ではないでしょうか。当初は、アメリカン・プログレ・ハードのバンドとして認知されていたが、時代が求める音楽にシフトチェンジしながらも、スティクスらしい洗練された心に染み入るメロディーを作りだせるグループだ。
日本語の歌詞が入っている「ミスター・ロボット」をはじめ「ベイブ」「ザ・ベスト・オブ・タイム」などのシングルヒットや、レコードに関しては3度300万枚売り上げトリプル・プラチナム・ディスクにも認定されている。またグラミー賞の「ベスト・ロック・ヴォーカル・パフォーマンス」部門にノミネートされるなど華々しい音楽活動とともに多くの名曲を残している。スティクスには「Blue Collar Man」作のギタリスト、トミー・ショウと「デザート・ムーン」のヒット曲で有名なキーボーディスト、デニス・デ・ヤングとは、降盛期の8年間を共にしており、ビッグにならない訳がないグループと言えます。

今回紹介する「Blue Collar Man」は、先述したスティクスの売りである”心に染み入るメロディー”を全面に出していない、どちらかと言えば勢いのあるイケイケタイプの曲です。特に何があるという訳ではないのに、なぜか飽きがこず色褪せることのない曲なのです。この曲はバンドでもコピーしており、何回も聴いているにも関わらず飽きないのです。やっぱりメロディーに秘密があるのでしょうか。ということで名曲である理由を述べることはできないので、好きな部分を述べてみたいと思います。まずバンドっぽい音、そしてバンドっぽい演出、更にはバンドっぽい演奏… きっと私はギターやドラムの入り方、コーラスの入り方なんかに臨場感を感じていたのだと改めて発見しました。アレンジが凄いんだぁ~
★1978年8thアルバム『PIECES OF EIGHT~古代への追想~』
★作詞・作曲:Tommy Shaw
コレ聴け!!

3. Playing to Win / Little River Band

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1975年結成、オーストラリアのバンド。世界進出を視野に入れた始動で、すぐにイギリス、アメリカで沢山のヒット曲を生んでいる。面白いことに、今やオーストラリア人不在という状況があるぐらいメンバー交代が繰り返されており、40年以上活動を続けている長寿バンド。当初は、ボーカルハーモニーを効かせたウェストコースト・ロック系の爽やかな曲調だったが、8枚目ともなる今作は、ボーカルはグレン・シャーロックからジョン・ファーナムの時代となりロック色が強い傾向に進化している。随所にボーカルハーモニーを散りばめるテクニックは健在です。

アルバムタイトルと同名のこの曲「Playing to Win」は、他の曲と比べて全くと言っていいほど曲調が違います。先述でロック色が強くなったと言いましたが、他の曲は言ってもソフトなロックです。当初、いつものLBRを求めていた人は戸惑ったのではないでしょうか? 数あるハードロックの中から、わざわざジャンルの柵を越えてこの曲を選んだ理由の一つには、畑違いのバックグランドから発信された派手な曲に、どこかしら新鮮な闘争心みたいなものを感じたからかもしれない。後からわかったのだが、当時、アメリカではLAメタル(日本人だけの言い方)が人気を博しており、そっちのフィールドにも乗せてみようと思われたと聞いている。王道のハードロックより少し違うテイストに仕上がっています。
★1984年8thアルバム『PLAYING TO WIN~非情のゲーム~』
★作詞:LRB, Spencer Proffer / 作曲:Jon Farnham, Graham Goble
コレ聴け!!

4. Vigilante / MAGNUM

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1972年に結成されたイギリスのバンドで、76年まではカヴァー曲中心に演奏していました。78年に発表した1stアルバムはプログレ色が強かったものの、徐々に変化し、5thアルバム『On A Story Tellers Night』、1stシングル『Just Like an Arrow』で一気に全英チャートを駆け上がった。今回選曲した曲「Vigilante」を収録したアルバムは、商業的戦略もあったようで、最低限マグナムの世界観を残しつつ、極力ドラマティックな展開を少なくし、時代に傾倒すべくコンパクトでキャッチーな仕上がりとなっている。

「Vigilante」を名曲に選んだ理由ですが、シフトチェンジしたと言ってもマグナムはマグナム、マグナム感がムンムン漂っています。これがないとマグナムではありませんからね。具体的に言うと、シンプルですがドラマティックな展開は健在で、イントロ、AメロBメロで雰囲気づくりがなされ、サビで盛上げてくれる、マグナムの良さが端的に表現された曲です。個人的には、ボーカルのボブ・カトレイの声に哀愁を感じ母性本能をくすぐります。他にも「Back to Earsh」「On A Story Tellers Night」「Wild Swan」などの名曲もありますが、ほとんどの楽曲がギターのトニー・クラーキンによるものです。
★1986年6thアルバム『Vigilante』
★作詞・作曲:Tony Clarkin
それでは、ほんのひと時のマグナムの世界へ
コレ聴け!!

5. Chasing Shadows / Deep Purple

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1968年に結成されたイギリスのバンドでデビューはアメリカ。後のハードロック・ヘヴィメタルに絶大な影響を与えたバンドで、多くの人が名前を知っていれば、CMで流れる曲を耳にしたことがあるはず。神様みたいなバンドで、彼らを知り尽くしている信者の方を浮かべると、私なんかが語るのはおこがましくて躊躇しています。今回紹介する曲はⅠ期に生まれた曲ですが、メンバー交代を繰り返しながら現在10期まで続いている。長く所属していたキーボードのジョン・ロードは2012年に病気で亡くなってしまいました。凄いアーティストで、ディープ・パープルでの貢献はさることながら、大変素晴らしいソロアルバムを残している。(これは別の機会にしましょう)  そして、現在まで在籍しているドラムのイアン・ペイス、ディープ・パープルの全てを知っている生き証人と言えますね。

「Chasing Shadows」は、ジョン・ロードが見た夢にイアン・ペイスが曲をつけたらしいです。リズムにマラカスやカーベル等々の打楽器を重ね録りされていて、全体のムードが一風変わっている。奇を衒った思いつきだけでは到底できない仕上がりで、どんな感性をしているのだろうか、そしてメンバー同士がどのように息を合わせれば作品として形作られていくのか気になるところですが、実は、このアルバムがリリースされる以前から同メンバーでの最後のアルバムになることはわかっていたようです。これから創りあげていく音楽の方向性とタイプの向かないメンバーが交代することになっていたそう。(理由には諸説あるのかもしれないです) これで卒業となるボーカルのロッド・エヴァンス、ベースのニック・シンパーの歌唱、演奏もお聴き逃しなく!! 勿論、ステージングの素敵なギターのリッチー・ブラックモアも!!

この際、「Chasing Shadows」が収録されているアルバムのジャケットに使われている画家ヒエロニムス・ボッシュの他の作品を鑑賞しながら、Ⅰ期のアルバムを3枚通して聴いたのですが、何故か2ndにピッタリはまる曲が多いと感じました。Ⅰ期は、そんな世界観で面白いですよ。
★1969年3rdアルバム『Deep Purple~ディープ・パープルⅢ~』
★作詞:Jon Lord / 作曲:Ian Paice
コレ聴け!!

6. Dance Though the Fire / PALLAS

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1984年にデビューしたイギリスの”ネオ・プログレッシヴ・ロック“バンド。一世風靡したプログッシヴ・ロックに影響を受けて、80年代に始動している新しいタイプのプログレバンドをこのように呼んでいるようで、少し揶揄した呼称で”ポンプ・ロック“も存在している。私は、呼び名の由来も知らないまま後者の”ポンプ・ロック”を使用していたが、このポンプ・ロックには痛い目に遭わされました。というのは、こちらのパラスやポンプで有名なマリリオンの「Incubus」やトュエルフス・ナイトの「Cunterpoint」、ペンドラゴンの「Dark Summer’s Day」等を求めてショップでジャケ買いをするのですが、ことどとく裏切られているのです。万円札を大切に持って東京くんだりへ出向し、帰宅後、1枚ずつ丁寧に聴いていくのですが、ジャケットに騙されているのか自分の鼻が効いていないのかピンとくるものがないだけでなく、イントロや部分的に好印象なだけで流れを感じない小手先を全面に出したようなものが多くて、それはそれはストレスになりました。以降、ちょっと音の煌びやかなプログレは食傷気味という副作用がつきまとっています。(私が知らないだけで多くの名作が存在していると思いますが…) そういう個人的な印象が拭えない心境なので、パラスという存在は大きいのです。

「Dance Though the Fire」の紹介をしましょう。前置きしておくと、パラスは個々の曲がリズムやタイプが豊富で飽きません。その中でこの曲は、情熱的でスリリングな内容を表現しており、ギターやドラムの音色、楽器同士の絡み方は破壊的な印象も受けるぐらい心が揺さぶられるアレンジとなっている。それを表現したくて動画作成しましたが追いついていないかもしれませんが、最後に火の鳥が飛び立つまで鑑賞していただけると嬉しいです。
★1986年2ndアルバム『THE WEDGE』
★作者不明(LP、CD隅々まで探したのですが)
コレ聴け!!

7. Blood Red Roses / URIAH HEEP

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1960年代中頃から活動開始し黎明期を経て、1969年”ユーライア・ヒープ”と改名してデビューし、レッド・ツェッペリンディープ・パープルと並び称されたイギリスのハードロックバンド。個人的には、前者2バンドと比べキーボードの割合が多いという理由もありますが、どこかしら温かみを感じる情景描写が上手いバンドという印象があります。「7月の朝」「魔法使い」など名曲がありますが、日本では「Easy Livin」がヒットしたらしいですよ。
現在は落ち着きつつあるのですが、89年までは結構メンバー交代があり、デビュー当時のオリジナルメンバーは、ギターのミック・ボックスだけになった。メンバーが変わる度、時代の流れの中で曲調も随分変化し、今やかなりポップ化している。

全盛期の面影がないぐらい変貌してしまったユーライア・ヒープですが、楽曲として優れていると思う「Blood Red Roses」の紹介をします、89年に元グランプリ(次の次に紹介するバンド)のボーカルバーニー・ショウを迎えての1作目となります。彼は6代目ボーカリストとなるのですが、因みに少し前の80年には、次に紹介するローン・スターのジョン・スローマンが3代目ボーカリストとして加入していました。また、よくよく調べた結果「Blood Red Roses」の作者は、4代目ボーカリストのピーター・ゴールビーでした。
曲はとりたてて特徴があるわけではありませんが、キャッチー、コンパクト、耳ざわりがいい、特徴がないのにいい、という曖昧な理由なのですが、強いて言うなら、サビのタイミングとコードの変化が絶妙ということですかねえ。これと言って特徴がないのにいい、というのは結構な誉め言葉だと思います。仕掛けがないのにいい出来だということだから。選曲で迷ったのが、同アルバムの「Cry Freedom」ですが、こちらの方が選曲理由が多く言えそうなので、やっぱり「Blood Red Roses」に軍配が上がったのでしょう。
★1989年17thアルバム『Raging Silence』
★作曲:Peter Goalby
コレ聴け!!

8. All of Us to All of You / LONE STAR

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1975年~1978年の4年弱という短い活動期間のイギリスのハードロックバンド。ビートルズの「She Said She Said」をみごとにハードロックにカバーしたことで有名です。全英・全米ツアーも行えるほど人気を博していたが、パンクやニューウェーヴ勢の急成長に伴い3rdアルバム準備中に解散せざるを得なくなった。この時期、どのアーティストも影響を受けているのです。音楽芸術を極めることを目標に作品制作する時代から、音楽という商品を広く一般に売るという産業に転換したことで”音楽衰退の悲劇”が始まったのです。

さて「All of Us to All of You」の紹介をしましょう。私の思い過ごしならいいのですが、最初にお伝えしておかなければならない重要なことがあります。それは、イントロがディープ・パープルの「Burn」に似ているということです。似ているだけなら「偶然かも」とか「やっちゃいました」や「これはセーフ」とかのコメントで終わるのですが、そんなことよりも、面白い似方をしているのです。顔のそっりさんとか似ていなくても笑いがこぼれることがありますが、それに似た笑いがこみ上げてくるのです。よくよく考えると、この笑いはちょっと似ているからではなく、格好つけた曲調にしてはフレーズがひょうきんな印象だからかもしれないです。なので仮に「Burn」が存在していなくても、同じような感覚で聴くことになっていたのかもしれないです。夫は「パクったのではないだろうけど、気づいたら変更したらよかったのに…」と言っていますが、今ではツボになっているというか、これがあってこそ次のAメロのカッコよさが際立つように思うようになりました。
そうなのです!! Aメロがとてもカッコいいのです。決まったタイミングに入るギターの鋭いジャーンの後に、メロディアスではないけれどシャウトでもないボーカルが入るという繰返しなのですが、緊迫感が漂いさっきの笑いのシーンがガラッと一転します。コーラスが入ったりシンセソロが入ったりと楽しめる要素の多い作品ですが、とにかくAメロを聴いてください。
Too cool,and don’t wet pants!  
★1977年2ndアルバム『FIRING ON ALL SIX』/ 2ndシングルB面
★作詞・作曲・編曲:Chapman / Lee / Worsnop /Smith / Hurley / Sloman
コレ聴け!!

9. Troubadour / GRAND PRIX

文

ベースのラルフ・フットがギターのマイケル・オドナヒューが出会い、そこにクラシック音楽の経験のあるキーボードのフィル・ランゾンが加わり、後にドラムにアンディ・バーン、ボーカルにカナダ人のバーニー・ショウを迎え、1978年にグランプリと改名して始動したイギリスのバンド。順調なデビューをきったものの、音楽的意見の相違でボーカルが脱退し、アイルランド人のロビン・マッコーリーが加入となる。
グランプリの特徴は、今となればロビン・マッコーリーの声と独特のメロディーが重なった時に出来上がった色だと思う。それには、フィル・ランゾンをはじめマイケル・オドナヒューらのアレンジ力が必須で、そのアレンジがとっても普通ではないのです。いたる箇所、特にブレイクにさしかかる部分で想像のつかないフレーズやコードが入ってくるのです。スパイス、というわけではありませんが、それを求めて、待ち望んで聴いている節もあります。そういうのは抜きで(知らずに)グランプリ推しの人もするのかもしれませんが、他にないアレンジそれは私達グランプリファンの誇りと思ってください。ボーカルは違うものの、1stアルバム中のフィル・ランゾンの曲「Which Way Did the Wind Blow」を聴けばわかると思うのですが、さすがクラシック音楽教育を受け交響楽団や弦楽四重奏の作曲やセッション経験をしてきたツワモノ、凡人にはできない技術で音符を操っています。優しい末広がりの曲中に入ってくるオーケストラ、ラテンのリズムへの展開… 気分が高揚するとともに、感性の大きさ深さに魂がゆさぶられ感服するばかりです。そいう素養を持ち、それを理解したメンバーが織りなす音、他の曲にも滲み出るのは当然ですよね。是非是非、聴いてみてください!!
また、グランプリの音は、ご本人達が自覚しているのかどうかは抜きとして、アメリカの風が吹いているような英国の曲に仕上がっており、一番アメリカに近い感覚のグループだと思う。アメリカ進出よりもクリサリス(イギリスのレコード会社)を選択したのには何か事情があったのでしょうね。全アルバム通して思うのですが、メロディ感が和的に感じるのは私だけでしょうか? 日本では知名度の高い3rdアルバム『SAMURAI』のタイトルに引っ張られているのでしょうか? 音階的に確かな理由がありそうなら誰か教えてください。

貴重なバンドなので少し長くなってしまいましたが、今回の曲「Troubadour」を紹介します。先ほど”ロビン・マッコーリーの声と独特のメロディーが重なった時に出来上がった色”と表現しましたが、それを凝縮した曲が「Troubadour」だということと、この曲調で名曲にしあげるのは至難の業だというのが選曲理由です。決して大仰な部分はなくカラッとした曲ですが、時折先述したようなテクニックを入れながら場面転換していきます。探しながら聴いてみるのもいいですよ。

★1982年2ndアルバム『THERE FOR NONE TOP SEE』
★作詞:M.O’Donoghue / 作曲:P.Lanzon
コレ聴け!!

10. In the End / JAN CYRKA

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ハードロック編3部ともエンディングはインスト枠としていますが、今回の+時々プログレの最後の曲にふさわしい、情緒あふれるメロディアスなフレーズが特徴のヤン・サーカの「In the End」を選曲しました。+時々プログレというくくりだから必然的なことなのでしょうけど、ポーランド系イギリス人の彼からあふれ出てくるメロディーは、このポジションにぴったりです。いまや、ユーチューブで”ヤン・サーカ”を検索すると、彼の曲をカラオケにギターを弾いている多くの一般人がヒットします。それもそのはず、1992年にリリースしたデビューアルバムが、その年の”ベストロックアルバム第10位”に選ばれるなど各国の音楽誌で絶賛されたのですから。
1963年、音楽をいそしむ一家に生まれ、16歳でエレキギターを手にしてから彼のギター人生が始まり、21歳の時にはセッションマン、26歳でレコーディングに参加、29歳でデビュー… 過酷な努力よりもギターの魅力の方が勝ったのでしょうね。それにしても、10年ちょっとで世界的なアーティストになれるのですね。

全アルバムともスタイルに変わりなく、ヤン・サーカが作詞・作曲・編曲、演奏はギターを、そして他の必要な楽器は外注している。「In the End」はゆったりとしたバラードですが、トリッキーな速弾きも当然ながらこなします。彼の場合はそれだけではなく、ギターがまるで人間が歌っているかのように、リズミカルにハミングしたり、ウィスパーボイスで囁いたり、時折コブシをまわしてみたりなどの感情表現がなされるのです。それが、技術の押し売りとならず、独自の哀愁あるメロディーのもと操っているのです。人の発声は、やりたい発声法がストレートにできますが、ギターで歌おうと思ったら、多分エフェクターをかましたり技法を駆使するなど間接的な演奏方法になるのだろうから、難しいことだろうと想像します。
では、ギターの甘い音色とドラマティックな展開に酔ってください。
★1993年アルバム『SPIRIT』
★作曲・編曲:Jan Cyrka
コレ聴け!!

考察

はた、と気が付いた。薄々わかっていたつもりですが、私は産業ロックの罠にまんまと引っかかっていたのかもしれない。今回、選曲した曲は70年代初期に結成したベテラン達が、80年代中盤に戦略的や遊び心で仕上げた曲が大半を占める。20歳の頃は、きらびやかな産業ロックやポップスの絶頂期だったということですね。
初心者の入口としては私に適していたのかもしれないし、それきっかけに産業ロック以外の曲もだんだん聴けるようになっているので、まあ良しとしましょう。

※参考 :
アルバムライナーノーツ(日本版のみ)
Wikipedia