仲間内で密かにブームになっている「face to ace」。
彼らの曲の魅力を趣向を凝らして丁寧に紹介していきますね。
幻のベストアルバム ついに…
「ファン待望の幻のベストアルバムが遂に完成しました!!!」と言ってもこのブログ内だけのことですが、今回は名曲を1曲に絞ることが困難極めることと、多くの人にface to aceを知ってもらうために、こんなベストアルバムがあったらいいなと思う選曲を独断で勝手にやりました。最初は「face to aceのベストテン」を企画し、夫やバンドメンバーの意見も取入れようと思っていたのですが、face to ace第一発見者の夫に「思い入れのある曲ばかりだから、そんな大変なことはできない!」とぴしゃっと断られてしまいました。おかげで、架空ではありますがベストアルバム企画に変更し愉しくできたので良かったです。
アナログレコードの設定です。ファンの皆さんは、自分だったらどうするかな?なんて考えながら閲覧してもらえればと思います。
私、オリジナル中心にバンド活動をしていますが、1ステージface to aceだけの曲をコピーするぐらい全員ではまっています。バンド内でブームになるには時間を要しなかったのですが、良さがピンとこなかったり少し時間がかかる人もいます。良さがピンとこない人は、ぱっと聴いた時に普通の曲に聞こえたり、他の曲との差異がわかりにくいのではないかと分析しています。そんな時、もちろん感性も必要ですが、聴くポイントや聴きどころをしぶとく説明できたら少しは馴染んでもらえるかな、と思っています。
face to aceが判るか判らないかは、その人の音楽性を測る指標になると思っています。
ただ、1回で良さを理解できる曲もあれば、繰返し聴くごとにジワジワと染み入ってくる曲、他者の意見を聞いて良さが判ってくる曲などあり、なかなか手ごわいところがあります。今回は、初めて聴く人や良さがピンときていない人などに向けて頑張って説明していきたいと思います。何を隠そう、私も曲によればジワジワタイプです。
ACE清水♡本田海月(クラゲ)
聖飢魔Ⅱのギタリスト
ACEさんの誕生は、多分1959年ぐらい。両親と父方の祖父母ともにオペラ歌手という境遇のもとに誕生。中学生でギターを始めディープパープルに触発されてプロ入りを決意。
大学在学中に、譜面起しや清書の仕事をし、ギターやキーボードの教則本を制作する一方、つのだ☆ひろ&ジャップス・ギャップスのギタリストとしてプロデビューする。超テクニックが必要なバンドではないか!!
1985年から1999年まで有名ヘヴィメタルバンド『聖飢魔Ⅱ』のギタリストとして活躍する。知らない人もいるかもしれないので簡単に説明しておきます。地球征服を目的にやって来たデーモン小暮閣下率いる悪魔の集団で、音楽活動が布教活動というしくみで、『お前も蝋人形にしてやろうか』の台詞でお馴染みの「蝋人形の館」の大ヒットにより一躍有名になりました。ACEはその集団のエース清水長官という肩書で活動をしていた。布教活動の合間をぬって、大変な読書好きが高じて小説を発表したり、ギタリスト向けに執筆したり、音楽学校で地球人に音楽を教えたりもしていたようだ。
中でも今回クローズアップしたいのは、ACE清水としてのソロアルバム『TIME AXIS』の作成に関してだ。聖飢魔Ⅱがフィッツビート(後藤次利が設立したレコードレーベル)に所属していた頃、将来face to aceとして一緒に組むこととなる本田海月の所属するバンド『Grass Valley』も同じレーベルだった。そういう接点から、ACEが海月のアレンジ能力やサウンドプロデュース力に一目惚れ、そして話してみると嗜好する音楽の共通点が多いことからより魅力的に映ってくる。
遂には、1993年、作詞作曲はACE清水、編曲・サウンドプロデュースは本田海月でアルバムを完成させることとなる。先ずは友達から、という付き合いが始まったわけだ。
1999年の聖飢魔Ⅱ解散は当初から決まっていたので、忘れられない人…海月に猛プッシュを続ける!!「海月、君の作るサウンド、そこに広がる世界観に惚れました。どうぞよろしくお願いします。」と。
そして、そして、二人は…
Grass Valleyで大暴れ
本田海月は1965年生まれ、本名は本田恭之(やすゆき)君。私と同級生のようです。幼少期のことはよくわかりませんが、音楽に関しては恵まれた時代に生まれたと思います。80年代の洋楽に限らずいっぱい聴いて吸収した方ではないでしょうか?
ここで!!
海月の情報をあまり持っていないためネット検索したところ、face to aceはもとより、聖飢魔ⅡやGrass Valleyの頃からの大ファンという方のブログを見つけました。ザーッと閲覧させてもらうにとどめました。というのも、情報は欲しいけれど曲のコメントなんかも書かれてあったので、長居は禁物と思い戻ってきました。影響を受けたらいけないし…でも書き終えたら絶対読ませてもらいますね。情報が細やかで信憑性もあるみたいなので、是非検索してお立寄りください。
※先方にリンクを貼ることの了解をとろう試みたのですが、すでにPlalaというブログ提供が終了していて繋がりませんでした。多分、大勢の方に立寄ってもらいたいサイトとお見受けしたので独断でリンクを貼ります。
という訳で、一気にプロ入りした海月へとびます。
1986年~1993年は、5人編成のニューウェーヴバンド『Grass Valley』のキーボードとして活動。才能あるメンバーに恵まれ持っている力を十分に発揮できたのではないでしょうか。後追いで知ったバンドですが、そのグレードに驚きました。その時代の流行りを意識していない感じと世界レベルの音作りが感じられました。知らなかったこと、申し訳ないです。いろんなタイプの曲がありますが「STYLE」や「飛行船」「FREEZIN’」「Truth」「WARRIOR」が好きです。アレンジが違いますね!! また、最後のアルバムはレベッカの土橋安騎夫が関わっていることもあり違う一面も見れて面白かったです。
1993年、先述の通りACEのソロアルバムのプロデュースを務める。その他、様々なアーティストへの曲提供やプロデュース業も行う。
1998年、ここで本田海月に改名してボーカルのmiyoと「空夜coo:ya」というユニットを結成。
1999年の聖飢魔Ⅱ解散に向けて、ACEから猛プッシュを受ける。
そして、そして、二人は…
face to ace ここにあり
2001年、めでたく両想いになった二人は、face to aceを結成。「FACE TO FACE」というアメリカのロックバンドを先に知っていたので、このface to aceが言いにくくて困ったのを覚えています。また、1stアルバムのタイトルが「FACE TO FACE」ですから惑わされました。ところで、このユニット名造語だとは思いますがどういう意味なんでしょう?知的で繊細なお二人なのできっと素敵な意味をこめて付けられてのでしょうね。
と、しばらくは思っていたのですが、YouTubeで見つけちゃいました、ACEが成立ちを説明しているところを。それによると、そもそもある言葉の「FACE TO FACE」は向き合うというような意味があり、音楽を見つめていくというような意味を込めて…と考えているうちに”FACE”を”ACE”に変えたらゴロがいいな…それにユニット名に名前を入れることで覚悟もできるから、と言われていました。
私たちと大差のない考え方だったので身近に感じました。
アルバム7枚、その他のアルバム5枚、シングル9枚をリリースしています。データをとったわけではありませんが、印象的に作詞はACE9に対して海月1、作曲は6:4、編曲は1:9という感じ。
2004年より、自主レーベル「Rhythm Site」にてレコード制作している。
何回かライブを見に行きましたが、
ライブなどのサポートメンバーを紹介します。
*Yanz(ベース) 元「DOVE」のメンバー
*嶋田修(ギター) 「Swinging Popsicle」のメンバー
*西川貴博(ドラム) 浅香唯さんの夫
バンドでのライブの他に、2人だけのライブもあります。その際はバックは打ち込みになりますが、海月がギターも弾いたり前へ出たり引っ込んだりと大はしゃぎして楽しいです。ACEのトークも楽しいし、会場が比較的小さいので距離の近さから親近感が生まれます。それと、「単独犯」というACEだけのアコースティックライブもあります。
次からは、幻のベストアルバム『約束の旋律』のライナーノーツと想定し、曲紹介・感想を述べていくこととします。
可能ならベストな環境で鳴らしてください。ヘッドフォンがおススメ。
さあ、レコードに針をおとしてください
約束の旋律
6thアルバム『PROMISED MELODIES』より
作詞:ACE/作曲:本田海月
A面の1曲目にふさわしいアルバムタイトルと同名の曲。8分の12拍子の曲で、終始1拍3連符のリズムがバックで刻まれていて波動を感じる曲です。「123、223、323、423」という感じでカウントをとります。気持ちも高揚して心地いいのですが、何故か心臓の鼓動までもが同期して動悸がきそうな感じになってしまいます。4拍子だと思って聴いていてもついつい3連符でリズムをとってしまいます。
イントロのフェイドインは、ただ音が大きくなっていくという単純なものではなく、ピアノのアルペジオとバックがマックスに達したところでメインのイントロのフレーズが入ります。これだけで「大当たり!」と思ってしまいます。そして、気持ちよく流れるイントロのバックでアクセントのシンセ音が入ります(2回)。私なんかには、すぐに掴めない場所で入っておりカッコイイのです。ほんと、憎い演出です。歌はAメロ、Bメロ、サビという流れなのですが、サビが細かく2段階になっていて、前段階で1拍を大切に溜めた感じにしておいて、急に盛上げて終わるのです。この時のACEのファルセット使いが更に盛上げを倍増します。もう一つ聴きどころを言うと、2番のAメロで歌詞が「語りかけても……」となってる部分があるのですが、「……」の部分は実際にも歌っていません。しかし、そこは儚くバックのシンセで表現しており、抜かりありません。
改めて歌詞を読むと、上品な小説の描写みたいで凄いです。難しくて理解できない部分も多いのですが綺麗です。
※この曲、バンドでコピーしたかったけど「バックの雰囲気を出すのが難しい曲」ということで却下されました。
約束の旋律です。
コレ聴け!
SCUDERIA VINTAGE
5thアルバム『PEAKS』より
作詞/作曲/編曲:本田海月
日本人が名曲に仕上げるにはハードルの高いメジャーな響きの曲。このてのタイプでいい曲は非常に少ないと思う。パンク的な思想を一切持っていないパンク風な曲だと思う。
聴きどころは、初っ端のギターのカッティング「ジャガズクジャガズク」とサビ前の「ビョーンビョーン」がカッコイイです。また、イントロは特にメロディーらしいメロディーではないのですが、アクセント的に入るピアノが疾走している歌詞の雰囲気に合っているように思います。そして、サビの高音が伸びやかでとても気持ちがいいです。ステージで見せる海月の雰囲気と歌詞が重なる感じがします。
何番目に登場しても個性的で存在感のある曲です。
※この曲は、お恥ずかしながらバンドでコピーしました。
SCUDERIA VINTAGEです。
a new day
2ndアルバム『a new day』より
作詞:ACE/作曲:本田海月
リズムは1曲目と同じ8分の12拍子で、共通して言えるのはリズムの上で遊ぶことはできるけれど、どこか張りつめている感じがぬぐえない演出ができると思う。例えば、流れの速い大川の上をのびやかにトンビが輪を書いている感じ。余計わかりにくくなりましたかねえ?
私、3拍子恐怖症みたいなのがあるのかもしれません。というのは、4拍子だと次の小節にまたがる前の4拍目がちょっと休めると言うか、次の小節の頭に行く準備段階のような感覚を持っていて、それが3拍子だと休めなくて窮屈な感じがしてしまうのです。トラウマとまでは行きませんが経験上のことで、人一倍このことに関しては神経質になっているのかもしれません。しかし、その分曲としてのメリットは感じやすいと思います。
とんだ所で横道に逸れてしまいましたが、きっとこのリズムは列車が走る時の「ガターンゴトーン、ガターンゴトーン」というレールの継目と車輪が当たる音で、上に乗っている歌のメロディーが、新しい人生に向かって出発している主人公の気持ちを表現しているのでしょう。終盤で「レールが奏でる~歩いていた」という歌詞とともに少し単調なメロディーになる部分がありますが、これは束の間居眠りをしてしまった様子を表現しているのではないでしょうか。細かい演出がなされていますね。
優しいメロディーと歌詞が情景を浮かべてくれます。
a new dayです。
コレ聴け!
荒野
6thアルバム『PROMISED MELODIES』より
作詞/作曲:本田海月
名曲中の名曲!! そして高品質の応援歌だとも言える。応援歌と言えば「365歩のマーチ」や「愛は勝つ」などあるが明るくて元気のよいものが多い。そんな中、明るいのか暗いのか、ポジティブなのかネガティブなのか、真面目なのかいい加減なのかはっきりしない雰囲気が漂い、シュールな曲とも言える。
数少ない海月がボーカルをとっている曲だが、海月で正解だ。というのは、歌詞の雰囲気と海月が重なるからだ。初めて聴いた時、パーカーにカーゴパンツとニット帽の海月が、今夜の野宿の場所で焚火をしながら一杯ひっかけている光景が浮かんだ。一方これがACEだと、用意周到に楽しみを準備してきて夜を満喫してそうな気がするからだ。「孤独とはなんて純粋なんだろう」「何千回も嘆いてイヤになっても大丈夫」「それでもここに花は咲くいつか」という歌詞があるのだが、まるで海月がしゃべっているようで歌詞も響いてくるんです。
最初に言いましたが、メロディーが明るいのか暗いのかよくわからない感じですが、その感じが人生の山や谷を表現されていて”わび・さび”を醸しだしているのかもしれませんね。とてもいいメロディーです。
※この曲も、お恥ずかしながらバンドでコピーしました。練習嫌いの主人が鍵盤ハーモニカを猛練習していたので誉めてあげたら、「だって、しないとできないんだもの。アドリブソロみたいなメロディーだから難しい~」と嘆いていたけど、ちゃんとできてましたよ!
荒野です。
コレ聴け!
早春
1stアルバム『FACE TO FACE』より
作詞:ACE/作曲:本田海月
今は、とてもいい曲だと思う。今は、ってことは、最初は違ってたということになる。
暴露するけど、実はしょうもない理由でこの曲が受入れられなかった。私は、小、中、高、短大と考えが子供で真面目でつまらない人間だったと思う。学生の頃、規則を破ろうと思ったことも考えたこともない、視野の狭い面白味のない子供だったと思う。大人になってから、学校の規則に敏感になる子の方が大人っぽくてカッコイイと思うようになった。だから、主人公のカップルが卒業式を抜け出したり、ましてや女の子が家族抜きで船でどっかへ…なんて考えられない、映画か都会の私とは接点のない人達のことと思えて、感情移入どころか気持ちにストップがかかっていた。凡人からしたらカッコよく映って嫉妬していてるのだ。意識しすぎと思うかもしれないけど、映画にしても音楽にしても感情移入して愉しんでいる部分もあるので、ちょっとしたひっかかりがダメなのだ。ほんと、つまらない奴です。
でも、世の中には主人公に共感できる境遇の人もいるかもしれない… そう思うと、少し気持ちの切替えができた。と同時ぐらいに、どんどん曲の良さもわかってきていた。こういうタイプの曲はややもすれば少しクサくなってしまうのですが、早春は先が想像つかない音程になることが多く、それに合わせてのコードが不思議感をより一層漂わせて、ふわっと情景が浮かぶ感じがします。最後のノイズっぽい音の演出、わかりますか?最初は船のエンジン音?それとも…と色々考えたのですが、割とアナログ的な音に聞こえたので、何か固有の音というよりも身近な感覚、現実感を出すための演出なのではと考えています。
まさに「季節と景色が見える音楽」ですね。
※主人は、「早春はいい曲だ」とか「『ちぎれるほど手を振った』という歌詞がいい」とか、「ACEが想定していた海の場所と自分が思っていた場所が合っていた」とか言うけど、私はそれどころではないのでしたよ!
早春です。
RAIN
2ndアルバム『a new day』より
作詞/作曲:ACE
A面ラストの曲は、とってもわかりやすいいい曲です。私がもう30、40若かったら、もっとはまっているんだろうなと思います。私はアルバムのこの場所ですが、人によればA面トップの曲なのかもしれませんね。サビの盛上りがドラマチックでいいですよ。
色々な意味でバランスをとるために、敢えてこの位置に入れました。
RAINです。
コレ聴け!
B面は次のページへ続きます。