今回は、大抵の人が知っていると思われる
レベッカの名曲「真夏の雨」を丁寧に紹介していきますね。
レベッカとは…
クレジット
1987年 6thアルバム「Poison」より
作詞:NOKKO / 作曲:AKIO DOBASHI / 編曲:レベッカ
バンド編成
NOKKO ボーカル
土橋 安騎夫 キーボード、リーダー
高橋 敦之 ベース
小田 原豊 ドラム
※サポートメンバー是永巧一(ギター) 他
4人編成バンド
ロック/ポップス
レベッカの歴史
今回、この曲を紹介していくにあたり、レベッカ三昧しました。レベッカにまつわることに関してネットサーフィンしていて、シンディ・ローパーCyndi Lauperの「We Are The World」のレコーディング動画にまで行って楽しんでしまいましたので、我に返り慌てて戻って来たという始末です。
日本の人気バンドなので情報も多く、プライベートを含め細かい情報は他の方のサイトにお任せして、ここでは簡単に説明します。
1982年、木暮武彦氏率いるアマチュアバンドに、当時「DOLL」というアマチュアバンドメンバーのNOKKOをボーカルに誘い「レベッカ」というバンド名で活動開始することとなる。
1983年、CBSソニー系列のオーディションに合格し、キーボードに土橋安騎夫氏を迎えプロデビューすることとなる。木暮氏が中心に作曲し、後期よりもロック寄りのアルバムを2枚リリースする。
1985年、レコード会社との音楽的方向性の違いにより、リーダーだった木暮武彦氏が当時ドラムの小沼達也氏と共に脱退する。ギターに古賀森男氏、ドラムに小田原豊氏を迎え再出発となる。新体制では土橋氏がリーダーとなり、海外のポップスやNOKKOのボーカルスタイル、ダンスを意識し、作曲、プロデュースをポップス路線に変更する。
その後、3rdシングル「ラブ イズ Cash」を皮切りにアルバムを出すたびに大成功をおさめるようになる。代表曲に「フレンズ」「ガールズ ブラボー!」「MOON」「RASPBERRY DREAM」等がある。コンサートツアー等大規模なイベントを成功させるが、超多忙な中での創作活動が困難ということで、1991年解散となる。当時、それぞれのメンバーがそれぞれの活動を拡大していたので無理もないことだと思う。
その後、何らかのかたちでそれぞれのメンバーも音楽に携わり、ソロ活動に加えレベッカ再結成や新譜のリリースも行っている。
レベッカを構成しているもの
木暮武彦
現メンバーではない方ですが、レベッカの先駆者でもあるので敢えて紹介します。
レベッカというバンド名を付けたのも彼であり、このバンドでやりたかった音楽は「例えばプリテンダーズPretendersみたいなパンケッシュでポップなロック」ということだ。お恥ずかしながら前期のレベッカは今回初めて聴きました。デビュー曲の「ウェラム・ボートクラブ」の感想は、私の知っているミュージシャンで言うと、パットベネター Pat BeneterのAnxiety(Get Nervous)っぽいな、と思いました。曲調やライブ映像でのNOKKOの凄まじい目つきや雰囲気が似ていたのかもしれませんね。
先述したように、ビジネスだからとは言えやりたい音楽の方向性を曲げることはできず、先駆者である彼自信がレベッカを脱退することになる。不本意なまま続けるよりも賢明な選択だと思う。その後、バラエティー番組にも出演するダイヤモンド☆ユカイとともに「RED WARRIORS」で活躍することとなる。
バンド解散後は、小さい頃から何となく日本で音楽活動をするイメージがなかった、ということでアメリカに移る。
その後、アメリカから日本に戻った現在は、富士山の麓の森の中に素敵な家を建てて自然の中で音楽の仕事に携わりながら生活しているらしい。
土橋安騎夫
レベッカがCBSソニー系列のオーディションで合格後、どういう流れからなのか不明だが加入となる。木暮氏がリーダーだった頃も、数曲は土橋氏の曲も採用されており、アルバムの中に幅をもたせていた。先ほど、前期レベッカを聴くのが今回初めてと言いましたが、実はベストアルバムに入っていた曲は知っており、2ndシングルの「ヴァージニティー」も彼の作で、今回名曲にするかどうか迷った曲です。是非聴いてみてください。
木暮氏が抜けてから、全盛期のレベッカを陰で創造する実質のリーダーとなる。後に彼は、自分は器用貧乏でやってきたが、NOKKOやドラムの小田原氏のような天才肌の人が羨ましい、と言われていた。しかし、未来を見据えて冷静に設計図を描くことのできる土橋氏の存在は大きいと思う。グループ内にそんな人が複数居ても、逆にNOKKOみたいな人ばかりでもグループは成立しない。それぞれに力があることは前提としても、バランスのとれたグループに成長していったのだと思う。
曲はほとんど彼が担当しているのだが、同時に外部アーティストへの楽曲提供、グラスバレーや聖飢魔Ⅱ等のサウンドプロデュースやソロアルバムの制作も行っている。楽曲提供は、内田有紀、穴井夕子、酒井法子、松田聖子等の有名シンガー等で、私は沢田知可子の「I miss you」が最高傑作だと思う。また、2ndソロアルバム「FOX」内のアニー・ハズラムが歌う「LOST IN LOVE」も好きだ。
レベッカ解散後も、多方面に音楽活動を続けている。
先ほど紹介したソロアルバム「FOX」のライナーノーツに記された土橋氏の思いに感銘を受けたので紹介します。
デジタルを細分割化すればする程アナログに近づくわけで、僕の中ではデジタルの究極はアナログであり、最終的にはそれをどのように利用していくかは人間自身にかかっていることになり、それが一番重要な問題だと思うのだ。
土橋安騎夫2ndソロアルバム「FOX」のライナーノーツより
NOKKO
両親や兄も音楽活動を行っている音楽一家で生まれ育つ。
幼少期からバレエを習いクラシックには馴染んでいたが、5年生のころ荒井由実(ユーミン)をきっかけにポップスにはまる。
バレエを生涯の仕事にしたかったが、身長が足りないこともありあきらめる。そうとう落ち込むが、兄きっかけでアマチュアバンドで楽しむことを知る。一時は、自立するために簿記の勉強をしようと思ったこともあるらしい。だから、音楽の道に進んだのも、勿論好きだからでもあるが、仕事として選んだらしい。ステージ上での全身全霊で表現している彼女の姿からは想像がつかないかもしれないが、作詞をしている信子(本名:保土田信子)と同様、普通の人間なのだ。
彼女のレベッカでの魅力を私の思う順番で言うと、①歌唱力 ➁パフォーマンス ➂歌詞 です。
歌の上手い人は大勢います。ひょっとしたら、耳の肥えた人が聴くと「ピッチが合っていない」とか言うのかもしれないけど、そんな次元の話ではなくて、そういう表現方法があってもいいと思うぐらいアーティスティックなボーカルだ。バイオリンのソロ奏者は、わざとフラット気味にピッチを合わせることがあると聞いたことがある。バックの音を聴きながら、音を調整しているのかもしれないですね。また、ハスキーな声のせいで”ア行”が”は行”になるところも自然だし、抑揚の付け方が大胆で個性的だし、歯切れがいいし、”ピンクの電話のヨッちゃん”から”クレヨンしんちゃん”のような声まで幅広い音域と太さを持っている。
そして、後付けの振り付けではなく、ボーカルと同様、その時々の感情で表に出てくる表現としてのダンス、しかもこの動きが綺麗! 大好きだったバレエがNOKKOの中で熟成されて自然に表現されている。NOKKOにとっては、我々がカラオケでちょっと力が入った時に手を上げたり、足でリズムをとるのと同じぐらいのことなのかもしれない。純粋に音楽だけを評価したいのだが、ライブ映像を見てしまうと引き込まれてしまう。
こんな経験ありませんか?例えば、テープやレコードが擦り切れるほど何回も聴いた好きな曲を、ライブで少しためて歌ったり、変に高くして歌われたりして、不消化な気分になってしまうこと…とか… でも、NOKKOの場合は、それがカッコイイのです。日本人がやると少しコッ恥ずかしいシャウトなんかも上手くはまっていて本当にカッコイイんです。色々なタイプのパフォーマンスをされますが、動きが少ないもけれど素敵なものがあったので紹介します。
ダンスが魅力的な曲、
「Poison」から「Nervous But Glamourous」を鑑賞してください。
そして、歌詞が曲調と合っていますね。少し突飛なものが多く、共感というよりは架空の世界に飛び込んだような感覚で楽しめます。歌詞については、あまり得意としない私なので下手なことは言わずにこのへんにしておきます。
冒頭でも、今回はレベッカ三昧をしていると言いましたが、思いをはせればはせるほど感情移入してしまって、少し前にテレビの音楽番組で見た光景が思い出されてなりません。よくある、有名な曲をご本人と現在のアイドルがデュエットするような企画です。少しふくよかになったNOKKOと、20歳前後の若いアイドルがレベッカのヒット曲を交互に歌いました。最近のアイドルは皆さん高音がよく出ますよね。歌い終えた後、NOKKOが「上手に歌ってくれてありがとう」みたいな内容のお礼を言ったのです。正直言って、NOKKOは全盛期のような迫力ある歌い方ではありませんでした。敢えてそうしなかったのかもしれませんが… 私の受取り方が貧困なのでしょうか(具体的には書けません)… NOKKOは子供を見るような感じで本当に嬉しくて発した言葉なのでしょうか… 心の引っ掛かりになっています。
高橋敦之
中2でチューリップのコピーバンドをギターで参加していたが、中3の時Zeppライブ代表取締役の杉本圭司氏と出会いロックに目覚め、ベースとして一緒にバンドを組むこととなる。
1983年、レベッカに加入。在籍中もソロアルバムをリリースしたり、別バンドを結成したりと才能を発揮している。レベッカ解散後も、音楽活動は続けているが、介護で一時休止していた時期もある。
レベッカ4thアルバム「REBECCA Ⅳ~Maybe Tomorrow~」では、「光と影の誘惑」というインストを作曲しているのだか、これもいい曲です。
小田原豊
1982年、バンド「POW!」でドラムを担当。
1985年、レベッカとの対バンを機に3代目ドラマーとなる。
1988年、並行して「TRAUMA」を始動するが、アルバム1枚リリース後休止。
レベッカ解散後は、桑田佳祐、浜田省吾、斉藤和義、ゆず、徳永英明、倉木麻衣などの有名ミュージシャンをスタジオでサポートしている。
バンドには多数在籍とている。
1つケチを付けるとしたら…
やっちゃってるんですよねぇ~ もったいないなぁ。
「ラブ イズ Cash」は、マドンナMadonnaの「Material Girl」、「MOON」は同じくマドンナの「Papa Don’t Preach」で…
MOONは大変いい曲なので… 何とも言えない気持ちです。
オリジナルの作者にとっては洒落では済まされませんし、リスナーが喜ぶとでも思っているのでしょうか?「MOON」が好きだった私はどうしたらいいのか複雑な気持ちです。別に気にならないリスナーも居ると思います。ですが、せめて生みだすアーティストだけは潔くあってほしいものです。
STOPSTOPSTOP 日本のキャラクターを真似ているどっかの国と同じでは? STOPSTOPSTOP
以下、同類のものを紹介します。
症例1)由紀さおりの「夜明けのスキャット」では、サイモン&ガーファンクルの「The Sound Of Silence」を借用。
症例2)榊原郁恵の「夏のお嬢さん」では、スージー・クアトロの「The Wild One」を借用。
症例3)石川秀美の「もっと接近しましょ」では、シーラEの「The Glamorous Life」を借用。
症例4)森尾由美の「惑星」では、トンプソン・ツインズの「Doctor!Doctor!」を借用。
症例5)河合奈保子の「暁のスカイパイロット」では、ドン・ヘンリーの「Boy’s Of Summer」を借用。
症例6)シブがき隊の「ZOKKON命」では、ナイトレンジャーの「Don’t Tell Me You Love Me」のイントロを借用。
症例7)杉山清貴&オメガトライブの「海風通信」では、エイジアの1stアルバム「Asia」からイントロに「Here Comes The Feeling」を、歌から「Only Time Will Tell」を借用。
以上、どの症例も洒落とは言えません。洒落なら洒落とわかる背景や経緯が必要だと思います。
真夏の雨の感想
真夏の雨の聴きどころ
ふわーっとしたストリングス系のシンセがフェイドインして雲行きが悪くなった雰囲気を出します。そして、時々入ってくるギターのフレーズが遠くで稲光がしているようにも思えます。
歌詞の中に「焼けたアスファルト」「8月の雨」「怪しい空」「降りだす」「デジャブ」というワードが入るのですが、普通に生活していたら必ず体験するであろう出来事で、容易に絵が浮かびますよね。ただ、その時の感情は個々で違うことでしょう。小学校の時プールから帰りがけに… 縁側で昼寝していたら急に… 彼と険悪なムードの時… などなど。灼熱の太陽からの解放感もあるかもしれませんが、夏の少し憂欝などんよりした空気感を感じる人が多いのではないでしょうか。そんな感じが曲に醸しだされています。でも梅雨の長雨とは異なり、夕立が過ぎればヒグラシが鳴いて、一気に夕方の家庭的な温かさが恋しくなる… 私は、そんな現実とデジャブの境目がわからないような感覚がしてきます。皆さんはどうですか?
最後までこういう雰囲気が続き、エンディングの最後の最後にシンセの雰囲気が変わります。夕立が過ぎた瞬間なのかな?
ズバリ!! この曲の魅力は…
『普遍的に心をとらえるムードがあること』
です。
試聴
それではお待たせしました、レベッカの名曲「真夏の雨」
コレ聴け!
編集後記
編集後記と言っていいのかどうかわかりませんが、今回俗っぽいプライベートな事は一切言うまいと決めていたのだが、ちょうど今NHKの朝ドラにはまっていて、どうしても言いたい!
それは、実はNOKKOは、解散当時、デビュー当初から恋仲と噂されていた木暮氏と結婚しており、その後離婚。現在それぞれ幸せな生活を手に入れているのだか、木暮氏の2回目の結婚で生まれた子供が、朝ドラ「おちょやん」の主人公役の杉咲花さんなんです。超びっくりしてしまいました。子役の頃から見ているので本当に驚いてしまいました。
※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
YouTubeにて各種(ライブ映像、ンタビュー映像)