First Impression

文

テレビ番組の企画ユニットが本格的にデビューしてしまった?!
バックボーンはどうであれ名曲は名曲です。
真面目に紹介していきますね。

番組『とんねるずのみなさんのおかげでた』の企画ユニット

とんねるず 石橋貴明、木梨憲武 の冠番組

石橋貴明さん、木梨憲武さんがメイン司会の『とんねるずのみなさんのおかげでた』という番組、皆さんご存知でしょうか?
と言ってもすでに終了しており、1997年~2018年までフジテレビ系列で放送されていたバラエティー番組です。お二人は企画にも携わり、少しお下品ではあるけれど、どこかお洒落な匂いのする番組でした。
お二人が関東の方だからですかねえ?

 

ほんとのうたばん

「食わず嫌い王決定戦」「モジモジくん」「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」等、見たことのある人はすぐ思い出せるのではないでしょうか。

そして、「ほんとのうたばん」という、とんねるず司会進行でアーティストのランキングを発表するというコーナーがありました。実際には、事前にお二人がそのアーティストになりきって撮影したものを改めて見る、という内容なのです。が、ここまでやって大丈夫?というぐらい本物のアーティストの特徴をデフォルメしており、失礼ですが完成度も高く歌も上手いからついつい見てしまうんです。

とんねるずが企画、構成にも携わることがあるぐらいスタッフとの関係性も良かったのでしょう、ある回で、Kinki Kids のモノマネの際、スタッフがバックダンサーをつとめることがありました。その様子がおもしろくてジャニーズ・シニアとも呼ばれていたとか…

 

野猿のメンバーは番組スタッフ?

ユニットメンバーの発表

企画会議で決まっていたことなのだろうけど、ジャニーズ・シニアと呼ばれていたスタッフだけのユニットでCDデビユーさせようということになり、メンバーが発表されました。(この頃ちょうど見ていない時期でしたので参考資料でまとめさせていただきます) その時のメンバーの様子を見たかったですね。

“野猿”というユニット名は、貴さんが既存のホテル名からとって付けた、そして、作詞で関わる予定の秋元康さんが、スタッフだけだと何何でとんねるずさんも参加を、と提案したことからメンバーが確定したらしい。

野猿メンバー

石橋貴明、木梨憲武、平山晃哉(アクリル装飾)、神波憲人(衣装)、成井一浩(大道具)、飯塚生臣(特殊効果)、大原隆(大道具)、網野高久(持道具)、星野教昭(運転手)、半田一道(スチルカメラ)、高久誠司(カメラクレーン)、新井千佳(音声)

※First Impression リリース時のメンバー

クレジットは豪華 後藤次利(作曲/編曲) 秋元康(作詞) SAM(ダンス指導)

メンバーが決まれば、次は肝心の曲制作陣の発表。以前にも何回か組んだことのある、大変有名な先生、後藤次利氏(作曲/編曲)と秋元康氏(作詞)を迎えることとなる。

後藤次利氏と言えば、西城秀樹、工藤静香、中島みゆき、原田知世などのアーティストや、映画音楽、CM等の作曲、編曲等にも関わり、指折りのベーシストとしても有名。個人的には、中森明菜の「アレグロ・ビヴァーチェ」が好きだ。

秋元康氏と言えば、おニャン子クラブ、AKB48などのプロデュースや、テレビドラマ、アニメ、映画等の企画や監督等もこなす敏腕音楽プロデューサー、作詞家、放送作家で、多彩な才能の持ち主である。

そして、憲さんがダンス指導にTRFのSAMさんを希望し現実となる。

強力な曲制作陣とパフォーマンスの支援により、男性のシンデレラストーリーがどのように繰り広げられるのか期待が高まりますね。

 

avexからCDデビュー決定

CDをリリースするなら是非”avex”から! という希望で、番組中にコンタクトをとることとなり、貴さんが直接”avex”の当時専務取締役の松浦勝人氏に電話交渉。その返事が「もうそのつもりでいました」ということだから、スタジオが湧きました。俗っぽい余談ですが、この方、浜崎あゆみさんの自叙伝「M愛すべき人がいて」のMさんです。生の “まささん” ですよ!

何もかもが本格的なので完成が楽しみですね。

 

ボーカルCAさんは不本意な抜擢?

野猿の活動は、1998年~2001年で、1thシングルから大ヒットする。

順調な活動を重ね、2000年の7thシングル発売に際して、貴さんが音声スタッフの新井千佳さんを連れて来る。

どうやら通称:CAは、歌手という表舞台には全く興味がないらしく、あまり気乗りしない感じで参加したようだ。それでも貴さんがしぶとく口説くんだから、よっぽど人間的に魅力があったのか、歌唱力を押したんでしょうね。芸能人に対て物怖じしない感じや、スポットライトを当てられるのを拒否する感じも受けたんでしょうね。

まさに7thシングル「First Impression」が大ヒットし、年末の紅白歌合戦の出場も同曲だった。しかし、寸前にCAが出場を拒否したらしく、急遽曲変更したという言い伝えがあるぐらいだ。よっぽど不本意な抜擢だったんでしょうね。羨ましいーったらありゃしない!

撤収

野猿というユニットは興行的にも大成功をおさめ、2001年5月の「完全撤収ライブ」をもって解散となる。3枚目のアルバム「撤収」の最後にメンバー内の誰かの「撤収!」という掛け声が入っている。いつものバラシの時のような音で…

数年間のことだが、彼らにとっては短くて長くて、大変で楽しくて、いい経験だったと思うし、番組の企画ユニットなので誰も傷つかず、後味を悪くせず、本当の意味で綺麗に ” 撤収 ” できたなと思います。

※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

First Impression の感想

トレンディ感がただよう音

まずは曲構成ですが、イントロ1 ⇒ イントロ2AメロAメロBメロブリッジ ⇒ サビイントロ2 ⇒  AメロBメロブリッジサビサビイントロ1 こんな感じです。

イントロ1は、これぞ都会!っていうようなモノラルシンセとお洒落な電子ピアノをバックにCAの気だるいハミングで始まる。一転かっこいいシンセのイントロが入り、Aメロに突入。以降Aメロ、BメロはCAと野猿が交互に、そしてブリッジとサビは一緒に歌うというパート分け。

 

楽譜を熟知した歌い方

よくよく聴くと、結構難しい歌です。だらっとなら誰でも歌えそうですが、きちんと歌おうと思えば、楽譜を熟知しかつリズムに乗れていないと空中分解してしまう。
例えば、8分音符や付点8分音符、16分音符、8分休符等が絡むことで裏打ちになったりして結構複雑だ。でも、わかると気持ちよく歌える。そして、生まれてくる休符の聴こえない”音”まで聴こえてくるように歌えるようになると、より気持ちいいです。 “予想外のできごと”という歌詞の部分かわかりやすいです。

皆さん歌に関しては素人でしょうから、指導者がついていたとは思います。野猿は、もうすでに何曲もこなしているので随分と慣れている頃でしょう。
しかし、全く興味のなかったCAがあそこまで歌えるのは天性のものなのでしょうね。決して上手く聴かせようとテクニックを見せつけるような歌い方ではななく、先述したような部分もリズムの上で彼女の感性で歌いこなしているのがうかがえる。歯切れのいいリズムをボヤっと歌っているように聴かせるのは、案外難しいことだと思います

ライブを聴いていないので確信できませんが、スタジオ録音を信じます。

 

楽曲が素晴らしい

楽曲で惹きつけられた部分は、イントロの雰囲気CAの歌の表情、BメロのCAの「mm-」の入るタイミングメロディー。特にサビのメロディーは、ブリッジの最後の音より一つ下げていおり、それがとてもいい感じになっています。サビって一気に盛り上げようとすることが多い中、この曲の場合、一旦落ち着かせておいてだんだんと盛り上げていくのです。

歌詞は、難しい比喩も敢えて入れず、情景が目に浮かぶように作成されていると思います。そして、言い回しもメロディーにぴったり合っています。
実際は、どのようにされているんでしょうね?メロディーが先か…歌詞が先か…

私なんか、お二人の思うつぼでしょうね、制作前から出来はわかっているのでしょうから。個々の仕事に対して、レンズの当て方を変えているのでしょう。

やっぱり職業作家さんはすごいです。
素晴らしいコンビ
だということがわかりました。

最後に、何と言ってもこの曲に出会えたのも ”とんねるずのみなさんのおかげで

 

試聴

文

お待たせしました。
CAのやる気のない感じも可愛らしいです。
それでは、コレ聴け!