実際はメドレーではないのですが、
アルバムの1曲目と2曲目なので、
メドレーとして紹介しますね。
「GIVE SOME MORE ~ CAROUSEL」誕生の背景
クレジット
1977年 4thアルバム「FULLY INTERLOCKING~透明な風景~」より
作曲:トム、ウィレム、グース、ハンス
作詞:グース
プログレ/ジャズ/フュージョン
メンバー
トム・バーレージTom Barlage サックス、フルート、キーボード
ウィレム・エンネスWillem Ennes キーボード
グース・ウェレムスGuus Willemse ベース、ボーカル
ハンス・ウォーターマンHans Waterman ドラム
オランダ出身の4人編成バンド
※最後のスタジオアルバムではギターでハリー・ハードホルトHarry Hardholtが加わっている
シュペモット(Spemot)社のオーディオブランド名と同じ発想…?
1966年 トムとウィレムが組んでいたバンドから、メンバーの交代などにより先述のメンバーに至るのだが、バンド名は、当初造語(?)の「SOULUTION」だったが、1969年に「U」を削除したらしい。造語の一文字を抜いて正式に存在する単語の「SOLUTION」になった訳だ。(訳 : 解決、解明、解答、解凍、溶液、溶剤)
ネットで色々と検索しているうちに類似しているものを見つけました。それは、2000年、スイスの電気工学部品、モーターの製造会社のシュペメット社が、長年蓄積したノウハウを投入して制作したハイエンドオーディオがある。そのブランド名が「U」の付いた「SOULUTION」で、気になる名前の由来が、Soul(魂/情熱)とSolution(説明/解答)の意味をこめた造語ということだ。月日は30年余り経っているが、どちらも音楽を発信するものであるという共通点があり「SOLUTION」も当初は同じような意味をこめて「SOULUTION」としていたのかもしれない。
では、なぜ「U」を削除しなければならなかったのか?
公式サイトの機械翻訳によると『過剰な魂の流行との不当な関連付けを呼び起こすのため』???
チンプンカンプンです。
信憑性のある情報が少なくてすみません。
そんなにマイナーなバンドとは思いたくないのだけど、日本での知名度は低いんでしょうね。
ディスコグラフィはわかります。
あまり情報を把握していない私ですが、彼らのリリースしたレコード・CD情報はありますので、簡単に紹介します。
1971年「SOLUTION」、1972年「DIVERGEENCE」、1975「CORDON BLEU」、1977年「FULLY INTERLOCKING」、1980年「It’s only just begun」、1982年「RUNAWAY」の6枚のスタジオアルバムと、ライブアルバム、コンピレーションアルバム等もリリースされている。
アルバムの特徴を簡単に言うと、1枚目の「SOLUTION」は、ジャズロックの要素がふんだんのプログレで、演奏が上手いので聴きごたえがあります。2枚目も悪くありません。そして、3枚目の「CORDON BLEU」は、メロディーが洗練され大変いい出来、4th「FULLY INTERLOCKING」に至る寸前のものだということがわかります。「こちらの方が好きだ」という人がいてもおかしくないと思います。
プログレ色の強い前期(アルバム1st~4th)から商業的な方へ転換し、後期(アルバム4th「It’s only just begun」、5th「RUNAWAY」)に至ります。
後期については、アルバムタイトルの曲はヨーロッパではヒットシングルになったそうです。テクニックと感性を持ち合わせたソリューションですから、決して悪い出来ではありませんが、私は、前期の方が好きです。なぜなら、前期の曲の方がソリューションの存在意義が大きいからです。
プログレに浸かり過ぎている人にありがちな、ポップス化していくことへの抵抗感みたいなものではありません。どちらかと言えば、商法的に洗練されていく方が好きなので、ジェネシスにしてもフィル・コリンズが入ってからの方が断然好きです。一見プログレの方が高尚なことをしているように思うかもしれませんが、ポップスの名曲を作ることは案外難しいものです。
出来が良ければジャンルにこだわりはないし、どんな人が作ろうが作品が良ければそれでいいですので。
最終的に商業的な方向へシフト変更することになったのですが、よくぞ4thまで耐えてくれました。
おかげで、今回紹介する曲に出会えることができました。
エルトン・ジョンの音楽プロデューサー ガス・ダジョン
このアルバムは、エルトン・ジョンElton Johnの数々の曲をプロデュースしたガス・ダジョンGus Dudgeonによるもので、レコーディングスタジオは、映画「ボヘミアンラプソディー」で登場する、かつてクィーンがレコーディングしたという音楽スタジオ「ロックフィールドスタジオ」です。(映画では、本物のスタジオを模倣して建てたもののようですが…) イギリス、ウェールズの農家を改修して造った滞在型音楽スタジオで、まさにイングリッシュガーデンを連想する佇まいです。
そんな素敵な場所で、有名なプロデューサーと最高のアーティストが共同作業をするのだから、変なものができるわけがありません。
FOCUSのヤン・アッカーマンがゲストギタリスト
メンバー構成でもわかるように、ギタリストがいません。その為、ライブやアルバムでギターが必要な時はゲストギタリストを迎えます。
6thのスタジオアルバム「RUNAWAY」で全面的に参加したハリー・ハードホルトやジョン・シュールスマJohn Schuursma、ミシェル・ポスMichel Posそして、オランダの有名プログレバンド「フォーカス」のヤン・アッカーマンJan Akkermanなどです。
フォーカスとは交流があり、ソリューションの曲「DIVERGEENCE」をフォーカスが演奏することもあります。大人っぽいジャジーで素敵な曲です。
フォーカスの名曲を紹介する時もあるのでその時はよろしく!
GIVE SOME MOREの感想
私にもう少しください?
この曲の構成は、
イントロ1→イントロ2→イントロ3→歌a→歌b→歌a→歌b→イントロ2→イントロ3→歌b→エンディング
低音のシンセのリフとドラムから入り、その上にフルート、キーボード、ベース等がかぶさっていき、何かが始まる予感をさせるように盛上げた後イントロ2に移る 。これが、本来のイントロになるのだか、東洋風のシンセのメロディーがモヤモヤした感じを醸し出し、随所に入るパーカッションが気持ちいい。普通ならこの後に歌がくるのだが、イントロ3で別テーマのシンセが入る。
そして、少しトーンダウンした感じで歌が入ってくる。ささやくような甘い歌声でラブソングを連想さすのだが、歌詞の機械翻訳ではラブソングではないようだ。だいたい歌詞や小説の類は、繊細な深みを出すために比喩的な描写になっていることが多く、直訳したらもっとわからなくなるのは当たり前だ。なーんとなくではあるけれど、『今まで先が見えないまま何とか日々努力してきた。しかし、それを打破する突破口が見えてきたので、もう少しチャンスをください。』みたいなニュアンスの内容?これは全然自信がないので無視してください。
リラックスして気持ちよく聴けるので、この曲だけだと、質のいいAORにも聴こえなくはないです。
※AORとは、Adult Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)の略で、ボズ・スキャッグスやボビー・コールドウェル等が有名。
オランダ特有の温かいメロディー
エンディングは、短いフレーズですがメジャーな感じのメロディーで締めくくります。私は、このメロディーにオランダ特有の温かさを感じます。
同国のバンドに、フォーカスやカヤックがいますが、メロディーに共通点があります。
寂しい×安堵感…
極端な感情表現ではなくベールで包まれた感じ…
安っぽくない…
機会があったら是非聴いてみてください。
CAROUSELの感想
チコちゃんに叱られる! なんでメリーゴーラウンドで馬が回るの?
“カルーセル”の意味ご存知ですか?
私の年代だと、”カルーセル麻紀”しか浮かびません。なので、人の名前か地名かな、と思っていましたが、辞書で調べると「メリーゴーラウンド、回転木馬、回転式コンベヤー、中世騎士の馬上試合」とありました。
あっ、これチコちゃんで見たやつだ!!
チコちゃんとは、着ぐるみの5歳のチコちゃんとナイナイの岡村さん司会のNHKのバラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』で、日常的になっている出来事の理由をゲストに問いかけるQ&Aタイプのものです。そして、ゲストが答えられずにいると「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と怖い顔をしたチコちゃんが叱る、というものです。
その時のお題が『なんでメリーゴーラウンドで馬が回るの?』で、解答が『槍試合の練習をするため』でした。解答を聞いてもよくわからないため専門家が解説していくのですが、17世紀フランスの騎士たちの現在で言うスポーツで、馬に乗ったまま走り抜けて、槍で柱に付いているリングをひっかけて取る馬上槍試合がありました。槍でリングをひっかける練習のためにできたのが、手動のメリーゴーラウンドのような形のもので、歴史の流れとともに形を変えて行って現在のような遊園地にあるスタイルに至ります。
そもそも、そもそもなんですが、なぜ ” カルーセル ” の意味をたぐっていったかと言うと、この曲がインストであり、少しでも内容を理解しようとしたからなんです。私の第一印象は、都会の夜の高速道路を走るイメージがあったのですが…
これか…
ちょっと違うけど、ずっと動いている感じは共通しています。
全体を通しての聴きどころは、ジャズ、ロック、フュージョンの融合が綺麗に卒なくできており、なおかつお洒落れに仕上がっているところだ。是非、それを感じてもらいたいのだか、欲を言うと、曲構成、場面場面の雰囲気の出し方、場面展開する時の楽器の入り方、そしてテクニックにまでも注意して聴いてもらえると、世は満足じゃ!
一回目はさらっと聴いて、そして2回目は、楽器を聴いてみてほしいです。
あれだけ難しいことをやっているドラムですが、バタバタせず強弱をきれいにつけてまとめています。
ベースは、メインテーマのバックの単純な「タッタッタ」に、さりげなく装飾音をつけて間を埋めたり、サックスソロのバックでは、いいアクセントを入れています。
そして、そのサックスソロに入る前のどんよりした部分を全楽器が上手く表現しているのは、クラシック並みの出来ではないでしょうか。決して派手な部分ではないけれど、そんな雰囲気が醸し出されているおかげで、次に登場する感情的なサックスが活きてくるんです。嵐の前の静けさを情景描写している感じです。
メンバーの作曲能力にみ合う楽器のテクニックがあったから名曲になったのだと思う。楽器のテクニックがあるだけではできないことです。
結局、馬が走っている感じ?
高速道路を自動車で走るのではなく、馬が走っている感じ、もしくは遊園地のメリーゴーラウンドが優雅に動いている感じでいいのでしょうか?少し、疑問が残ります…
GIVE SOME MOREでも言えますが、ひょっとしたらギターレスの効果がスタジオアルバムでは反映されているのかもしれません。しかし、夫は、ギターの入ったライブバージョンを大変気に入っています。
試聴
では、GIVE SOME MORE~CAROUSEL続けて
コレ聴け!
※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Official SOLUTION Website