これから、この曲の聴きどころをアーティスト情報も含めて丁寧に紹介しますね。
最初に曲を聴きたい方は最後の動画をご覧ください。
また戻ってきてくださいね!
松武秀樹氏のソロプロジェクト
クレジット
music : YUKIHIRO TAKAHASHI
(additional words : ICHIKO TAKEHANA)
※ライナーノーツの表現に準じています
1991年 アルバム「To・Gen・Kyo」に収録
ジャンル
テクノポップ
スタイル
シンセサイザープログラマー 松武秀樹氏 のソロプロジェクト
冨田勲氏、YMOとの出会い
モーグとの出会い
松武秀樹青年は、縁あり、電子楽器による作曲家の第一人者 冨田勲氏 のアシスタントとして就職。
そこで、憧れのシンセサイザー『Moog(モーグ)』と出会い、数年かけて操作できるようになる。現在流通している、いわゆる『キーボード』のイメージとは全く異なり音をつくる機械である。当時は『タンス』と呼ばれるぐらい楽器には似つかわしくないビジュアルだった。
冨田氏の教え、そして好奇心と努力の賜物によるものか、シンセサイザープログラマーとして数々の作品を世に送り出すこととなる。
両親が音楽を生業にしていたこと、音楽というものが身近な存在であったこと、そして縁がこのような状況をもたらしたのだろう。
YMOのライディーンをカバー
電子音楽のニーズが高まる中、また縁があり世界をも一世風靡したYMO(イエロー・マジック・オーケストラ) のシンセサイザープログラマーとして活躍することとなる。
メンバーは、シンセに精通した 細野晴臣氏 高橋幸宏氏 坂本龍一氏 で、松武氏は『4人目のYMO』と呼ばれることもあったらしい。
今回紹介する曲は、YMOで大ヒットした「ライディーン」のカバー曲なのですが、オリジナルの「ライディーン」を初めて聴いたときは、心地よいメロディーが軽快なリズムと目新しい音でつつまれ衝撃的でした。
ここで、松武秀樹氏とYMOがまさに「ライディーン」をうみだし、世界に羽ばたいていく様子が彼らの声で語られる動画を見つけましたので、是非是非ご覧ください。
細部まで設計する音楽のバイプレイヤー
元々備わっていた素質なのかもしれないが「自分だけの音をつくりなさい」という冨田氏の教えもあり、結果オリジナルティが開花した。
作品づくりでもそのことが活かされ、事前に細部までの設計図が頭の中に仕上がっているようだ。
既成の曲をカバーする機会も多いが、原曲の芯になるものは残しつつ、ちょうどいいバランスで新しい作品に息を吹きこんでいる。
「これだったら原曲の方がいいよね」というカバー曲がたくさん存在する中、今回紹介する「ライディーン」は、原曲を超えた仕上がりだと思う。
シンセサイザーにかける情熱
とにかく縁があって、というか出会うべくして出会った運命のシンセサイザー、生き物と同じような扱いをしなければ言う事をきいてくれないシンセサイザーと、日々格闘して自分だけの音作りが現在進行形でなされているらしい。
ロジック・システムのRydeen(風と水の思想)の感想
魅惑的な東洋のしらべ
ブログで紹介するにあたり、改めて構成とかを確認しておこうと思い聴いたところ、「あれあれ、3拍子? 8分の6拍子? んー、途中から4拍子になってるぞ、どこからだあ?」って感じで少し以外でした。イントロはバスドラの入れ方からして3拍子か8分の6拍子だと思います。どこから4拍子になったかわからないうちに、ゆったりとした中国語のメインテーマが始まるのが心地いいですね。
歌詞は、人間が自然を蝕んでいくことに対する批判的な内容であるのに、中国語が全くわからない私なんかは、異国の地… 男性が好むような繁華街… 着飾った女性が店先で呼びこみ… というような情景が浮かび、一発目の二胡の登場の瞬間は、まるで「ねえ、寄ってらっしゃいな」と色っぽく言っているかのように聞こえます。音階の中を自由に行き来する二胡の音色は本当に哀愁がありますね。また、原曲のメインのメロディーがボーカルになったわけですが、東洋風のメロディーにぴったりではないですか。
そして、間奏に入り琵琶の登場。二胡、琵琶、そしてベースの掛合いが、まるで神聖な場所で厳かな舞でも執り行われているような錯覚におちいります。ベースは、ただ音階的な役割を果たしているだけではなく、打楽器的な役割が大きくついつい耳がいってしまいます。
複雑に絡み合うリズムの上に、ゆったりと、そして悠然にボーカルが乗っている浮遊感ただようスタイルは、個人的に大好きなパターンだ。
よくよく聴くと、随所にシンセ音が散りばめられ、この曲の魅力を引き出すバイプレイヤーとなっている。
いつまでも聴いていたい、耳ざわりの良い “音” です。
試聴
それでは、試聴してみてください。
気に入っていただけると嬉しいです。
では、コレ聴け!