夢先案内会社

 

文

日本のプログレバンド(ソロプロジェクト)平山照継の
「夢先案内会社」を丁寧に紹介していきますね。

 

ルネッサンス🥂

クレジット

1985年 平山照継名義のソロアルバム 2nd 「SYMPHONIA」より

作詞・作曲 平山照継

メンバー
平山照継   ギター
笹井りゅうじ ベース   (解散後はゲーム音楽の作曲、アクション所属の経歴あり)
西田竜一   ドラム   (アクション、SOPHIA、VIENNA、JACKS’N’ JOKERにも所属経歴あり)
小川文明   キーボード (有名アーティストのサポート、ブラック・ペイジ所属経歴あり)
黒田英津子  ボーカル  (経歴不明)
※他の曲では、フルートで宮武”シリウス”和広、ボーカルで下町香織が参加

シンフォニック・プログレッシヴ・ロック

 

飢餓同盟~テルズ・シンフォニア

呼び捨ても何なんで、ここでは”照兄”と呼ばせてもらいます。

1975年、いきさつは不明だが「飢餓同盟」というハード・プログレ・バンドに所属(ベースの小西健司氏は後の「ダダ」のメンバー)。

ここら辺から、日本のプログレバンドに触れるのが初めての方は、危なそうなグループ名や知らない名前が出て混乱するかもしれませんが、斜めに読んでもっらても大丈夫です。それぐらい、メンバーの行き来があるということも述べたくて敢えて文章にしています。

1977年、「シェラザード」を結成。
日本の音楽雑誌「ロッキンf誌」のコンテストで優勝する。

1979年、NEXUSレーベルのプロデューサーとなった たかみひろし氏が、「SYMPHONIA」がCD化された際のライナーノーツで語っていたのだが、当初たかみ氏は、ブリティッシュ・ロックの熱烈なファン同士だったという山本要三氏のバンド「天地創造」をレコードデビューさせるため力を注いでいたらしい。「せっかくレーベルを立ち上げるのだから、もういくつかデビュー候補のバンドを決めておいたら?」との上司の提案により「ダダ」が決まり、次にシェラザードが候補にあがるのだが、すでにメンバーチェンジが行われ、グループ名も「ノヴェラ」に更新されていた。メンバー交代については、シェラザードから4名と、解散したばかりの人気ロックグループ「山水館」から2名の計6人だ。そして、女性にも人気のあったノヴェラからデビューさせようという営業担当者からの意見があり、トップデビューすることとなる。続いて、関西からは、ダダ、アイン・ソフ、関東からは、美狂乱ケンソー等次々にデビューした。

1983年、メンバー交代を重ねているうちに、オリジナルメンバーは照兄だけになる。

1985年、音や音楽性の変化や必要性を確信し新境地を作り上げるが、1986年商業的に失敗し解散となる。

以降、ソロプロジェクトとして「平山照継」名義で2枚、「TERU’S SYMPHONIA」で6枚のアルバムをリリースしており、新譜の予定もあり活動は現在進行形。また、並行してシェラザード、ノヴェラの再結成も行いライブ活動も続けている。

 

命名はルネッサンスから

照兄は、多分色々なジャンルの音楽を聴き吸収しているのだと思うが、グループ名の命名に関しては、イギリスのプログレバンド「ルネッサンスRenaissance」のアルバムから引用しているらしく「シェラザードScheherazad」「ノヴェラNovella」がそれにあたる。命名するということは、いつの時代でもリーダーであったということだろう。ちなみに、ルネッサンスには、アニー・ハズラム Annie Haslam という大変きれいな声のボーカリストがおり「アット・ザ・ハーバー」や「オーシャン・ジプシー」がいいですよ。

照兄の音楽人生こそ、再生…復活… ”ルネッサンス”そのものですね!

ルネッサンス

 

当時の先駆者たち

先ず、言い訳から入ります。

学生の頃、洋楽ポップスが好きだった私ですが、ラジオから入ってきたクロスオーバーな音に対し全く違和感がなく、どちらかと言うとその虜になってしまう。それがプログレというジャンルの私向けのビギナー的入口だったようだ。社会人になってからは、音楽好きの先輩からプログレやハードロック、ニューミュージック、アイドルの名盤まで教えてもらい、只々私にとっていい曲を聴くというのが私の音楽との接し方だった。だから、ジャンルごと、アーティストごとに深く知識を得ようという気持ちがなかった。知りたいことがあったら教えてくれる人が近くにいたので。

なので、ブログで曲紹介する際は少なからず勉強しています。リアルタイムで聴いていた人や熱狂的なファンの方には見透かされている部分も多いと思います。ですが、いい曲に対する嗅覚はあると思います。またの機会に話すかもしれませんが、特定のジャンルやアーティストにどっぷり浸かり過ぎないことも必要と考えています。特に プ・ロ・グ・レ という世界は…

という訳で、特に日本のプログレシーンはさらーっとしか知りません。
よって、こんなやり方アーティストには申し訳ありませんが、代表的なバンドの音をざざっと短時間に聴きました。どんな経緯でシーンが生まれたか、どんな曲が世のプログレファンの心をとらえていたかを知ることにより「夢先案内会社」を語りたかったからです。

得られたことは2つありました。

1つ目は、やっばり「夢先案内会社」はいい!

2つ目は、世界では下火になっていたプログレというジャンルを、日本で商業的な逆境にもめげずに頑張っていたことへの敬意の気持ち。ファンに対しても、時代に流されずに良い音楽を求めていたことに対する、同じく敬意の気持ち。

です。

ご本人達は特に意識はなかったのでしょうけど、バンド間の交流が多かったことからも、2つ目のような印象をもちました。

※いつになるかわかりませんが、日本のプログレにもまだまだ名曲があるので順次紹介していきます。

 

今回聴きなおしたグループ
ASTURIAS、難波弘之、KENSO、BLACK PAGE、Ain Soph、新●月、四人囃子、美狂乱、ノヴェラ、Pageant、ダダ、アウター・リミッツ、夢幻、スターレス、シェラザード、そして次回紹介するかもしれないこのグループ…今は内緒です。

 

夢先案内会社の感想

プログレという世界

「なぜこの曲なの?」
「日本のプログレにはもっとプログレらしい曲があるよ!」
「照兄の代表曲はこれではないよ!わかってんの?」

という声が聞こえそうですが…

そもそも、ジャンルというものは世界の曲の分類からこのブログのような小さな世界の分類も含め、便宜上設けられた区分、枠であって、国単位でも人単位でも多少ズレがありますよね。

そんな感じのジャンルですが、私の”聴く”という立ち位置には、枠がありません。沢山ある曲を結構離れた位置から俯瞰で”聴いて”いるつもりです。今回も、プログレという側面からではなく、一つ楽曲として評価しました。

マタタビ

プログレ、という言葉を初めて聞いた方、混乱させてしまいましたね。プログレについては、多くの方が解説していますのでそちらを参考にしてください。世界各国での音楽の歴史も絡んでいますので、線引きが難しいジャンルです。
くれぐれも、長居しないように… 戻ってこれなくなるかも… でも、はまると、いいんだよねー。

 

平山照継の世界

照兄の作品は全体的にシンフォニックな印象です。シンフォニックとは、クラシック用語で正しい定義を書く自信がないので控えさせてもらいますが、プログレを含むロックの世界でよく言われるシンフォニックという言葉は、主にオーケストラで奏でられるような音色だったり、クラシカルなメロディーや形式を使用する場合によく聞くワードです。「メロディアスなヴァイオリンとスリリングなフルートが…」というCDの帯に何回はまったことか…プログレファンはゾクゾクしますよね。

アルバムタイトルの「SYMPHONIA」はアルバム中の同タイトルの曲からとっているのだろうけど、前回のアルバム「ノイの城」は、アルバムコンセプトが1つの物語になっていて、演奏もクラシカルなものが多く楽しい世界に導いてくれますよ。

 

4分弱の宝庫

ズバリ、聴きどころを言います!

🎧 歌の内容と演奏が合っている。(難しいテクニックを使っている)
🎧 知的さが感じられるポップスである。(意識してやれることでもない難しいこと)
🎧 照兄の良さが4分弱内に凝縮されている。(凝縮することは難しい、ジャンルにとらわれないところが照兄の良いところ)

 

試聴

文

それでは、平山照継の「夢先案内会社」
コレ聴け!

 

※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1stアルバム、2ndアルバムのライナーノーツ