inFinity

 

文

先ずは、記事タイトルの「inFinity」の紹介の前に
大沢誉志幸さんのこの曲をお聴きください。
「そして僕は途方に暮れる」です。

 

文

次に、
大沢誉志幸さん作曲のこの曲をお聴きください。
鈴木雅之さんの「ガラス越しに消えた夏」です。

 

日清食品「カップヌードル」つながり

「そして僕は途方に暮れる」は出戻りの曲!?

記事の初っ端から曲を聴いてもらいましたが、昭和50年以前に生まれた人は多分聴いたことがあると思います。

そうです、1984年日清食品のカップヌードルのCMソングに使われていました。ハスキーな声でキャッチーなサビを歌われると胸がキュンとなってしまいます。CMの映像も露骨にラーメンをすするということもなく、まるでビデオクリップでも見ているような錯覚に陥るぐらいお洒落でしたね。そんなこんなで大ヒットし多くのアーティストがカバーしました。

カップラーメン

しかし、大沢氏が歌うに至るまでにはちょっとした成行きがありました。
この曲、最初は鈴木ヒロミツさんに提供したのですが録音することなく返って来、その後、山下久美子さんへ預けたのですが、同じく返って来たらしいです。何か事情があったのでしょうけど、まあそれは置いといて、ちょうどその頃よく作詞を依頼している銀色夏生さんから歌詞が届いており、「そして僕は~」のメロディーに90%譜割りが合っていたようです。なので、この歌詞をこの曲に使おうってなって、銀色さん含め制作スタッフ総出でディスカッションし、歌詞をアチコチしたり、メロディーを微調整したりして完成させたらしいです。珍しい作品の作り方で、携わった方達も愛着を感じているかもしれませんね。アレンジは、若くして亡くなった編曲家の大村雅朗氏に委ね、切ない歌詞なのに爽やかで哀愁ただよう雰囲気に出来上がりました。

※銀色夏生(ぎんいろなつを)氏
女性詩人、随筆家、写真家、作詞家で「君のそばで会おう」「つれづれノート」など150冊を超える著書を発行している。また、太田裕美小泉今日子柏原芳恵斉藤由貴松田聖子早見優などへの歌詞提供もおこなっている。

 

「ガラス越しに消えた夏」はアンサーソング

次に聴いてもらった曲はご存知でしたか?

実は、これも1986年の日清食品のカップラーメンのCMソングに使われていました。この曲もよかったですね、と言っても映像が浮かばない…。こちらの曲は鈴木雅之さんが歌って大ヒットしました。作詞は松本一起氏で、実は「ガラス越しに消えた夏」は「そして僕は~」のアンサーソングになっていて、「そして僕は~」の歌詞の中の失恋した男性が主人公になっているらしいです。それがわかると、歌詞をじっくり聴き直すのもいいですね。

あっ、それとアレンジは「inFinity」と同じホッピー神山という方がされています。

※松本一起(まつもといっき)氏
3000曲以上もの作詞を行い、80年アイドル全盛期にヒットチャートを席捲した経歴の持ち主。近年は、著書も多く出版している。

※ホッピー神山(神山暁雄)氏
「長沢ヒロ&HERD」「爆風銃」「PINK」などのバンドに参加後、国内外のアンダーグラウントシーンを巾広く活躍した。一方、アンジェラ・アキ小泉今日子吉川晃司山下久美子田原俊彦鈴木雅之などの有名ミュージシャンのプロデュースやアレンジにもかかわっている。

「inFinity」のクレジット

銀色夏生+大沢誉志幸+ホッピー神山

作詞 : 銀色夏生
作曲 : 大沢誉志幸
編曲(アレンジ) : ホッピー神山

 

そのままアルバムタイトルにも

1985年 4thアルバム「in・Fin・ity」に収録

曲のタイトル途中の”f”が大文字だったり、アルバムタイトルが「・」で区切られていたり、どういう意図なんでしょうか?

ジャンル…シティーポップ

 

吉川晃司、松田聖子、中森明菜などなどに曲提供

バンド解散後ニューヨークでの充実した日々

今回主役の大澤誉志幸さんについて簡単に経歴を紹介します。

何っ? 「沢」の字が違うって?

そうなんです、現在は「大澤誉志幸」さんなんです。その辺も含みまして紹介していきますね。

1957年生まれ、中学で音楽に興味を持ち、高校の時バンド結成。大学時代には、ブルーグラスからR&Bに移行し「クラウディ・スカイ」というバンドを結成、ボーカルがいなかったので、ギター兼ボーカルをやっていた。

1981年、大学卒業後レコードデビューしたが、メンバー間の方向性の違いで解散。彼は、すぐにニューヨークへ移り、他のアーティストのプロデュースや楽曲提供、その傍らジャズクラブや美術館へ入り浸る日々を送ったらしい。

帰国後は、その才能を認められエピックと契約を結ぶこととなる。渡米を含め色々な経験が実を結んだのだろう、アイドルへの楽曲提供やプロデュースで売れっ子作曲家となる。

そして、1983年頃からは本業と並行してソロ活動を始め「ゴーゴーヘブン」や「そして僕は~」「ガラス越しに~」などのヒット曲をうみだすこととなる。

1999年、作曲、プロデュース活動に専念するため「悦楽の15年最後のシャウト」ライブをもって歌手活動を停止する。

2002年、ここで「大澤誉志幸」に改名して歌手復帰することとなる。この2年間で更なる展望ができたのでしょうね。

以降も、自他ともに(自分へも人へも)多くの曲を輩出し、精力的にライブ活動も行っている。

 

豪華ミュージシャンへの曲提供

これまで、多くのアーティストへのサポートを行っているのですが、紙面がゆるす限りあげていきます。

大澤誉志幸氏が楽曲提供、プロデュースしたアーティスト
沢田研二、高杉さと美、鈴木雅之、ビートたけし、松田聖子、荻野目洋子、小泉今日子、吉川晃司、山下久美子、中森明菜、八代亜紀、バブルガムブラザーズ、田原俊彦、内田有紀、高橋ひとみ、郷ひろみ、久宝留理子 他

湯水のようにどんどん湧いてくるメロディー

他者への楽曲提供も多い中、自身もシングル40枚近く、アルバムは30枚以上リリースしている。ある対談では、「メロディーは湯水のようにどんどん湧いてくるので困ることはない。」と言われていました。やはり、楽器の虜になったのではなく、音楽の虜になり沢山の曲とふれることにより感性が培われてきたではないでしょうか。洋楽志向で、それだけ色々なタイプの曲にも出会っていたのだと思います。特に、ブルーノ・マーズジェーム・ズブラウンがお好きだとか… ファンキーなところ、言われてみれば通じますけど、バラードのメロディーなんかは、どんなものが化学変化を起こして彼の頭から生まれてくるのだろうか…?特に、今回のような曲は。

 

「inFinity」の感想

“餅は餅屋に任せる”が功を奏している

私が、名作に決定する曲の大半は、ジャンルや曲のタイプにもよりますが、アレンジが良ければ(少々歌詞やメロディーが普通でも)全体の仕上がりにはさほど影響はありません。逆に、歌詞が良くても、メロディーが良くても、アレンジが今一だったら名曲には入れられません。それぐらい、アレンジを重要視しているようです、最近の自分を分析すると。

彼の曲の作り方としては、作詞もされることがあるが、出てこない場合は職業作家さんに依頼されるらしく、「ボーカリストは、餅は餅屋に任せるのがいい(作詞作曲はソングライターがやった方がいい)、昔から思っていたことだけど、なぜか自分で全部やりたがる人が多い」と言われていました。

全くの同感です。

大澤さんの意見を私の意見にすり替えて申し訳ないのですが、私は最近のこととして思っていることがあります。が、やっぱりここでは止めておきます。またの機会に運営者情報の「重い思い」をチェックしてみてくださいね。

 

しかも、3者の息がぴったり

気を取り直して、しかも、この曲は作詞作曲編曲のどれをとっても満点で、綺麗に調合されています。まるで優秀なシンガーソングライターが一人で作ったみたいに…。歌詞とメロディー、メロディーと歌声、歌詞とクラクションの音、繰り返される和的なキーボードのフレーズ、遠くから聞こえるトランペットの音、まるで波のようなピアノのフレーズ、始終同じ雰囲気で時が流れている感じ…

映像が見えてきそうですよね。

エピソードは違っていても、自分の経験と重ね見ることができませんか?

 

悲しいけど感動してしまう

最後の最後に「横顔がそれてたった今さよならを決めてしまう」のリフレインがありますが、この時バックのフレーズが微妙に変わり、別れを決めた瞬間の切なさがより伝わってきます。悲しい終わりですが、曲には感動してしまいます。

前振りがこんな大袈裟な感じだと、ちょっと白けてしまいますよね。すみません。

 

こんなに推しているのにも関わらず…なぜ?

以上のような理由で「inFinity」は名曲なのですが、気になることがあります。

それは、私の感性を疑われるような重大なことが…

実は、多くのベストアルバムを出されている大澤さんですが、どのアルバムにも「inFinity」が入っていないのです。アルバムタイトルにもなっているのにですよ。んー、おっかしいなぁ。何か、大人の事情とか… ライブではやっていたような気がするけど、反応が今一だったんだろうか…

やっぱり大澤さんとは趣味が合わないのか… やっぱり…大人の 事 情 ?

 

でもでも

本当は、まーったく気にしていません!

この曲を信じていますから!

 

試聴

文

大変お待たせしました。
感動の名曲、大沢誉志幸さんの「inFinity」
コレ聴け!

 

※参考 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソニーミュージックオフィシャルサイト

Sony Music Group 運営『WHAT’s IN tokyo』